修学旅行直前に子どもが風邪を…。「キャンセル料」がもったいなく感じるのですが、病気で行けなかった場合、保険や救済制度はあるのでしょうか?
実際、修学旅行のキャンセル料は高額になることがあり、経済的な負担も小さくありません。ですが、実はこうした負担を軽減できる保険や制度も存在します。
本記事では、修学旅行をキャンセルせざるを得なかった場合の補償制度や、事前に備える方法について、わかりやすく解説します。
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修学旅行のキャンセル料はいつ・どれくらいかかる?
修学旅行は『団体旅行』にあたるため、キャンセル料は国土交通省の定める『標準旅行業約款』に基づいて発生します。目安としては表1のような金額がかかります。
【表1】
| キャンセル日時 | 金額 |
|---|---|
| 出発の20日前~8日前 | 旅行代金の20% |
| 出発の7日前~2日前 | 旅行代金の30% |
| 前日 | 旅行代金の40% |
| 当日 | 旅行代金の50% |
| 旅行開始後または無断キャンセル | 100% |
たとえば旅行費が10万円だった場合、前日にキャンセルすると4万円のキャンセル料が発生することになります。かなりの負担になるため、やむを得ない事情がある場合でも、補償を受けられる手段があるかどうか気になるところです。
病気やけがで行けなかった場合、補償される制度はある?
子どもが体調不良などで参加できなかった場合、『キャンセル料を補償する保険』があります。近年は修学旅行専用の保険も登場し、全国で導入校が増えています。
損保ジャパンの子会社であるMysurance株式会社が提供する「修学旅行キャンセル保険」は、発熱やインフルエンザなど感染症による欠席、入院や通院が必要なけが・病気、家族の不幸や体調急変、運行時刻が定められた交通機関の2時間以上の遅延や欠航などのケースで補償されます。
保護者がインターネットで簡単に申し込め、数百円〜数千円の掛け金で加入できます。特に私立中学や高校では、学校から案内されることもあります。スマートプラス少額短期保険が提供する『学校団体旅行キャンセル保険』も、修学旅行や合宿のキャンセル料を最大100%補償します。
保護者がスマホから簡単に個別申し込みできますが、学校側がこの保険を導入している必要があります。Mysurance株式会社によると、2023年8月末時点で、「修学旅行キャンセル保険」を採用している学校は500校を突破しています。お子さんが通っている学校が加入しているか確認をしてみましょう。
保険に入っていないときの対処法とは?
保険に加入していなかった場合でも、以下の方法で負担が軽減されることがあります。
・医師の診断書を提出する
病気やけがが理由であることを医師の診断書で証明しても、原則としてキャンセル料は発生しますが、旅行会社や学校の判断で個別に配慮される場合があります。
・旅行会社に早めに相談する
キャンセルが早ければ早いほど、キャンセル料が安く済みます。
・学校に事情を説明する
一部の学校では、特別な事情がある場合にキャンセル料を学校側で一部負担するケースもあります。
ただし、これらの対応は必ずしも補償が約束されるものではなく、対応はケースバイケースです。なるべく早く連絡し、丁寧に事情を説明することが大切です。
また、キャンセル料に関しては「泣き寝入りしない」ことも重要です。補償制度や保険があることを知らない家庭も多いため、周囲と情報を共有して備える姿勢が大切です。
万が一に備えて事前の準備を
修学旅行は子どもたちにとって大切な思い出となる行事ですが、予期せぬ事態で参加できなくなることもあります。その際、キャンセル料の負担を軽減するためには、事前に保険に加入しておくことが有効です。
また、保険に加入していない場合でも、早めの連絡や必要書類の提出など、適切な対応を取ることで負担を減らすことが可能です。保護者としては、こうした制度や対応策を理解し、万が一に備えておくことが大切です。
出典
Mysurance株式会社 保護者が任意で加入する「修学旅行キャンセル保険」累計採用学校数500校を突破
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー