歯医者で一度に治療すると「保険適用外」になると言われました。なぜ保険内で治療するには、何度も通院しないといけないのでしょうか?
実は、歯科治療の保険診療にはいくつかのルールがあり、それによって“何度も通う必要”が生じます。本記事では、なぜ一度に治療できないのか、どんな制度のルールがあるのかをわかりやすく解説します。
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目次
なぜ歯医者では「一度に全部治療」はできないのか?
「虫歯が3本あるから、全部今日やってしまいたい」と考える人は多いと思います。しかし、保険診療でそれを希望すると、歯科医院から「保険診療のルール上、何度か通院が必要です」と説明されることがあります。
保険診療では「1回の治療につき、この範囲まで」というルールがあり、1日でできる処置の量や範囲など、治療の進め方が定められています。たとえば、歯石除去でも状態によっては1回で終わらないこともあります。
また、保険診療に限らず、重度の虫歯や治療が必要な歯が多いなど、段階的な治療が必要なケースもあるのです。
保険診療には厳格なルールがある
日本の公的医療保険制度では、誰もが必要最低限の医療を平等に受けられるよう、治療の内容や方法に細かなルールが定められています。歯科診療もその対象であり、国が定めた保険適用のルールに従って、1回の治療ごとに「できること」「できないこと」が決まっています。
そのため、患者が「一度に全部治療したい」と希望しても、保険適用の範囲を超える場合、「保険外で治療するか、何度か通院して保険内で治療するかになります」と説明されることになるのです。
また、「混合診療(保険診療と保険外診療の併用)」は原則禁止されています。たとえば、虫歯治療の「一部だけを保険で行い、残りを保険外で……」ということは認められていません。すべて保険で行うか、すべて保険外で行うかのどちらかになります。
保険外診療との違いとは? 通院回数に影響はある?
一方、保険外診療であればこのような制限は基本的にありません。歯科医師と相談の上、安全面や医学的な問題がなければ、一度に複数本の治療を行い、通院回数を減らすことも可能です。また、使用する材料も高品質なセラミックやジルコニアなど、見た目や耐久性を重視したものを選べます。
ただし、自由度が高いぶん、費用は全額自己負担になります。たとえば、保険なら3000円程度で済む詰め物も、保険外診療では1本あたり数万円以上かかることもあります。
「どうしても通院回数を減らしたい」「仕事が忙しくて時間が取れない」といった場合、保険外診療を選ぶことも一つの手段です。ただし、メリット・デメリットをきちんと理解し、納得した上で選びましょう。
【まとめ】制度の背景を知って、納得のいく治療を受けよう
歯科治療において「一度にまとめて治療できない」理由は、保険制度のルールと医療の安全性によるものです。決して歯科医院が独自で判断しているわけではなく、国全体の制度の中で公平性や安全性を保つための仕組みです。
どうしても通院回数を減らしたい場合は、保険外診療の選択肢もあります。その際は、費用や治療の質などをしっかり比較し、自分にとって最善の方法を選ぶことが大切です。
疑問に思うことがあれば、まずは遠慮なく歯科医師に相談してみてください。制度の仕組みを理解することで、無理なく納得のいく歯科治療が受けられるようになるはずです。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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