定年退職後、「国民健康保険料が高くて支払えないかもしれない」と父が話していました…「負担を減らす方法」はありますか?
定年退職後に保険料の支払いが困難になった場合などは保険料を減免してもらえるケースもあるため、チェックしておきましょう。
本記事では、国民健康保険料を滞納した場合の影響や、支払いが困難な場合に利用できる制度についてご紹介します。
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国民健康保険料を滞納するとどうなる?
国民健康保険料の支払いを滞納してしまうと、督促状や催告書などが送付され、延滞金を徴収される可能性があります。携帯電話やスマホにメッセージが送られてくる場合もあるため、確認漏れのないようにしましょう。
延滞金は延滞日数によって決まります。納付期限から3ヶ月経過しているかによって延滞金の割合が変動するため、納付が遅れるほど支払う金額は高くなるでしょう。
また、特別な事情がないにもかかわらず保険料を滞納した場合は、医療費を全額負担することになる「特別療養費」の対象になります。保険給付が差し止めになる可能性もあるため、注意が必要です。
状況によっては財産を強制的に差し押さえられることもあるため、保険料の支払いが難しくなってきたと感じた時点で対処法を考えた方がよいでしょう。
国民健康保険の保険料が支払えない場合の対処法
災害や失業などにより保険料の支払いが困難になった場合は徴収を猶予してもらえる場合もありますが、今回の事例では「定年退職後、保険料が高くて支払えない」ということなので、徴収猶予の対象にはならない可能性があります。
国民健康保険料は前年中の所得金額と加入者の人数によって決まります。定年退職後1年目の保険料は現役のときの所得が反映されて決まるため、収入がない状態だと「高い」と感じることになるかもしれません。
前年の所得が一定基準以下であったり、退職により収入が減少したりした場合に利用できる制度で、世帯全員の所得の合計によって「7割軽減」「5割軽減」「2割軽減」の対象となります。それぞれが適用される令和7年度の所得条件は、以下の通りです。
表1
| 軽減割合 | 軽減判定所得 |
|---|---|
| 7割 | 43万円+10万円×(給与所得者等の数-1) |
| 5割 | 43万円+30.5万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1) |
| 2割 | 43万円+56万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1) |
※大阪市「保険料の軽減・減免」を基に筆者作成
軽減割合は世帯所得を基に決められるため、所得未申告の方がいなければ、申請は必要ありません。もし軽減割合が不明な場合は、自治体の窓口へ問い合わせてみるとよいでしょう。
減免制度を利用する際の注意点
国民健康保険料の減免制度の利用を希望する場合は、各自治体への申請が必要です。申請すると、その翌月以降の保険料が減免の対象となります。
減免の対象や必要書類、審査内容は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村の窓口に相談してみましょう。
国民健康保険料の支払いが困難な場合は減免制度を利用できる可能性がある
国民健康保険料を滞納すると特別療養費の対象になったり保険給付が差し止められたりする可能性もあるため、注意が必要です。
定年退職後に保険料の支払い困難になった場合などは、減免制度を利用することで負担をおさえられる可能性があります。減免制度の申請は年度ごとに必要になるため、忘れずにチェックしておきましょう。
また、世帯所得が一定基準以下の場合は、軽減制度により世帯所得によって7割・5割・2割の軽減を受けられるため、確認しておくとよいでしょう。
申請は年度ごとに必要になるため、忘れずにチェックするなどして制度を上手に活用してください。
出典
江戸川区 国民健康保険料を滞納すると
大阪市 保険料の軽減・減免
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー