医師に「仕事はしばらく休みましょう」と言われたけど…収入がなくなるのが不安です。「傷病手当金」って、いくらもらえますか?条件と一緒に解説!

配信日: 2025.07.03
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医師に「仕事はしばらく休みましょう」と言われたけど…収入がなくなるのが不安です。「傷病手当金」って、いくらもらえますか?条件と一緒に解説!
病気やけがで、診断書の内容に従って休職しなければならないこともあるでしょう。しかし、仕事を休むと、給与を受け取れなくなり、生活に不安を感じるかもしれません。
 
本記事では、「傷病手当金」の内容や、受給できる金額について解説します。申請条件も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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傷病手当金とは

傷病手当金とは、何らかの理由で休職する際に、被保険者やその家族の生活を保障するための制度です。
 
一時的に仕事を休む場合は、原則として給与が支払われません。なぜなら、会社側からの依頼で休むわけではなく、本人の都合で労働できないからです。
 
しかし、病気やけがによる休職は望まれないことであり、生活が困窮する恐れもあります。そのための救済措置として、加入している健康保険から「傷病手当金」の支給を受けられます。ただし、任意継続被保険者は、傷病手当金の支給対象にはならないことに注意が必要です。
 

メンタルヘルスの不調を理由に休職する人も増加傾向にある

病気やけがなど、やむを得ない理由によるものから留学まで、休職にはさまざまなケースがあります。昨今では、メンタルヘルスの不調が原因となる休職も増加しています。
 
厚生労働省が実施した「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、2022年11月1日から2023年10月31日までの期間で、メンタルヘルスの不調により連続1ヶ月以上休業した労働者または退職した労働者がいた事業所は、全体の13.5%でした。
 
ただし、労働者1000人以上の規模の事業所は91.2%、500〜999人規模の事業所では87.2%という結果です。一方で、10〜29人規模の事業所は7.5%にとどまっています。
 
これらの結果から、大規模な会社であるほど、メンタルヘルスの不調を訴える人が多い傾向にあることが分かります。
 

メンタルヘルスの不調の原因

株式会社メンタルヘルステクノロジーズが、メンタルの不調を原因に休職した経験がある会社員110人に実施した2022年10月の調査によると、メンタルヘルスの不調には、次のような原因があるとされています。

・人間関係不和
 
・長時間労働
 
・不当な人事評価
 
・業務内容の不適合
 
など

なかでも、「人間関係不和」は、全体の50%を超える原因とされており、職場の人間関係に悩み、メンタルに何らかの不調を来す人が多くいるようです。
 

メンタルヘルスの不調による休職も傷病手当金の対象になるのか

メンタルヘルスの不調で医師から診断書が出された場合、会社側は就業規則などに沿って、休職の扱いとすることが一般的です。
 
休職する際には、多くの場合、医師による「診断書」の提出が求められます。あわせて、会社の定める「休職届(または休職願)」を提出するのが一般的です。フォーマットや申請方法などは、勤務先の就業規則に記載されているので、確認してみてください。
 
傷病手当金の申請には、本人・医師・事業主が記入した申請書を、加入している健康保険組合や協会けんぽなどに提出する必要があります。提出先や記入方法については、各保険者の公式サイトで確認しておくと安心です。
 
必要書類を提出して、上司や人事担当と休職について確認を行ったあとは、診断書に記載されている期間はしっかり休んで、心身の健康回復に努めましょう。
 

傷病手当金はどのように受け取れるの?

病気やけがにより休職する際、次の条件がそろった場合に、休職期間の傷病手当金の受け取りが可能です。

(1)業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること
 
(2)仕事に就くことができないこと
 
(3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
 
(4)休業した期間について給与の支払いがないこと

支給される金額は、下記の計算式で算出できます。
 
【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3)
 
ただし、支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算してください。

(ア)支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
 
(イ)標準報酬月額の平均額(32万円(※))
 
※支給開始日が令和7年3月31日以前の場合は30万円、令和7年4月1日以降の場合は32万円

なお、支給期間は、支給開始日から通算して1年6ヶ月間です。
 

休職時は傷病手当金を利用して十分な休養を

どのような理由であっても、休職する場合には不安を感じやすいかもしれません。ただし、傷病手当金によって一定の収入を補うことは可能なので、まずは医師の診断に従って十分な休養を取りましょう。
 

出典

全国健康保険協会(協会けんぽ) 傷病手当金
厚生労働省 令和5年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要(事業所調査)
全国健康保険協会(協会けんぽ) 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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