けがで「休職」することになりました。「有給」を使うと「傷病手当金」が遅れるって本当ですか?「傷病手当金」の支給開始がズレない“最初の3日間”の使い方を解説!

配信日: 2025.07.09
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けがで「休職」することになりました。「有給」を使うと「傷病手当金」が遅れるって本当ですか?「傷病手当金」の支給開始がズレない“最初の3日間”の使い方を解説!
病気やけがにより会社を休まなければならなくなったときは、申請することで傷病手当金を受給できる可能性があります。しかし、会社を休む際に有給を使用した場合は「傷病手当金を受け取れないのでは? 」と疑問に思うかもしれません。
 
そこで本記事では、有給を使用した場合の傷病手当金の支給タイミングについてご紹介するとともに、傷病手当金の支給要件や申請方法もまとめています。
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傷病手当金の支給要件

傷病手当金とは、健康保険の加入者が病気やけがなどで会社を休まなければならなくなったときに受け取れる手当のことです。病気やけがが原因で会社を休んだ人すべてが受給できるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。
 
まず、業務外の事由による病気やけがであることが要件の1つです。業務上の事由、または通勤災害による病気やけがは労災保険の給付対象となるため、傷病手当金は支給されません。
 
また、病気やけがにより連続して3日間仕事に就くことができず、4日目以降も復帰できなかった場合、4日目以降の日に対して支給されます。
 
さらに、会社を休んでいる間に給与の支払いがないことも条件です。傷病手当金は働けない期間の生活を保障するための制度なので、給与の支払いがある場合は支給の必要がないと判断される場合があります。ただし、給与が支払われている場合であっても、支給額が傷病手当金よりも少ない場合は、差額が支払われることもあります。
 

有給を使用した場合の傷病手当金の支給タイミングはどうなる?

今回の事例では「けがで休職することになったが、有給を使用するとどうなるのか? 」ということですが、この場合は休んでいる間も給与が支払われていることになります。原則として有給と傷病手当金を両方受けることはできないため、支給対象外になる可能性があります。
 
しかし、有給を取得したのが待期期間中のことであれば、傷病手当金を受け取ることが可能です。「待期期間」とは、けがや病気で会社を休んだ最初の3日間のことをいいます。
 
傷病手当金は休業4日目以降を対象とした手当なので、待機期間中に有給を使用したとしても影響が及ぶことはありません。傷病手当金を受け取れるタイミングが遅くなる心配もないと考えられます。
 

傷病手当金と有給はどちらがお得?

ここでは、病気やけがで休職する場合、傷病手当金を受給するのと有給を使用するのとではどちらがお得なのか確認してみましょう。全国健康保険協会によると、傷病手当金は1日あたり、以下の計算式で算出した額が支給されます。
 
「支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準月額を平均した額÷30×3分の2」
 
被保険者期間が1年未満の場合は、「支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均」「標準報酬月額の平均値」のいずれか低い額で計算されます。
 
一方、有給を使用した場合は1日分の給与が全額支払われるため、有給の方がもらえる金額は多くなると考えられます。
 
ただし、使用できる有給の日数が少ない場合や、休職が長くなる場合などは、傷病手当金を利用した方がよい場合もあるでしょう。状況により、個別に判断することをおすすめします。
 

待期期間中に有給を使用すれば傷病手当金の支給タイミングには影響しない

病気やけがで休職する際には、傷病手当金を受給できる可能性があります。
 
傷病手当金は休職中に給与の支払いがないことも支給要件になりますが、対象となるのは休み始めてから4日目以降なので、最初の3日間の待期期間中であれば有給を取っても影響が及ぶことはありません。傷病手当金の支給タイミングが遅れる心配もないでしょう。
 
4日目以降も有給を使用した方がよいのか、それとも傷病手当金を受給すべきなのか悩んだときは、使用できる有給の日数や休職の長さなどに応じて検討することをおすすめします。
 

出典

全国健康保険協会 協会けんぽ 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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