【実録】旅行直前、子どものケガで「2泊15万円」のキャンセル料が発生した友人。「保険に入ってて助かった…」とのことだけど、どれだけ補償されるの? 保険料や“クレカ付帯保険”との違いも解説
本記事では、こうした事例をもとに旅行キャンセル保険の仕組み、クレジットカード付帯保険との違い、加入する際のポイントについて解説します。
FP2級
目次
旅行キャンセル保険とは?
旅行キャンセル保険は、急な病気・けが・自然災害・交通遅延といったやむを得ない理由で旅行を取りやめた場合に、発生したキャンセル料(取消料や違約金)を補償する保険です。予約時から出発の数日前まで申込可能な商品もあり、直前のトラブルにも対応できます。
補償割合は、商品によりますが、全額または半額のプランが一般的です。国内・海外のツアーや宿泊、航空券予約が対象となるケースが多く、幅広い旅行形態に対応しています。
補償内容と適用条件
出発前の医師の診断による急病、交通機関の遅延・欠航、台風などが理由で旅行を取りやめた場合、キャンセル料全額または一部を保険金として受け取れます。例えば、損保ジャパン系列の Mysuranceの「Travelキャンセル保険」では、旅行開始日直前の感染症や交通機関の遅れでもキャンセル料を全額補償する事例があります。
加入は、旅行代金支払い後、通常は出発日の数日前(9日前など)まで可能で、申込期限は旅行予約日を含め14日以内など商品ごとに定められています。対象予約は、宿泊付きツアー、宿泊施設、航空券など、取消料が発生する旅行契約であることが条件です。
保険料の目安とクレジットカード付帯保険との違い
旅行キャンセル保険の保険料はとてもリーズナブルで、一般的には旅行代金の数%程度です。
例えば、「t@bihoキャンセル」では、旅行代金を目安にした保険金額10万円に対して1200円、20万円で2400円など、保険金額に応じた保険料設定となっています 。
補償対象には、旅行者本人だけでなく、同行する家族や友人の急な病気・けが、交通遅延、イベント中止など幅広い理由が含まれます。
クレジットカード付帯保険との比較
クレジットカードに付帯されている旅行保険にも「キャンセル補償」がある場合がありますが、次のような違いに注意が必要です。
・補償対象が限定的:クレジットカード付帯保険では、補償対象となる理由や金額上限が制限されているケースが多く、キャンセル補償がそもそも付帯していないカードもあります。
・利用付帯条件がある:旅行代金や交通費をそのカードで支払わなければ補償対象となりません。支払方法の違いで補償が受けられないリスクがあります。
キャンセル保険との違いをしっかり把握して、上手に活用するのが大切です。
加入方法と比較活用のポイント
旅行キャンセル保険に加入するには、旅行を予約する際に旅行会社や保険代理店で、あるいは直接保険会社のウェブサイトで申し込むといった方法があります 。
クレジットカードの付帯保険だけで十分か判断する際は、補償理由、対象者(本人と同行者の範囲)、補償額、適用条件(利用付帯か自動付帯か)をよく確認しましょう。不足を感じる場合は、キャンセル保険を別途契約することで万一の事態に備えられます。
加入するべき人と注意点
旅行キャンセル保険は、キャンセル時に大きな費用負担が発生する可能性がある人に特に向いています。例えば、次のようなケースでは加入を検討するのがおすすめです。
・高額な旅行代金(海外旅行や長期ツアー)を前払いしている
・小さな子どもや高齢者と一緒に旅行するため、急な体調不良のリスクが高い
・仕事や家庭の事情で直前にキャンセルになる可能性がある
・自己負担でキャンセル料をまかなう余裕が少ない
一方、旅行キャンセル保険の加入については、次のように注意すべきポイントもあります。
・加入は旅行予約直後が必須:キャンセル保険は出発直前では加入できないことが多く、予約から数日以内に手続きが必要な場合がある
・補償理由の確認が重要:病気・けが以外(仕事の都合や自己都合など)は補償対象外となるケースもある
・キャンセル料の上限:全額補償されるわけではなく、旅行代金の一部までという上限が設定されている場合がある
まとめ
旅行キャンセル保険は、急なけがや病気によるキャンセル時に費用をカバーできる心強い制度です。ただし、補償範囲や上限額には制約があるため、旅行代金や家族構成、リスクを踏まえて検討することが重要です。クレジットカード付帯保険との違いも確認しておくと安心です。
※本記事の内容は執筆時点(2025年7月)の情報に基づいています
出典
Mysurance株式会社 Travelキャンセル保険
ジェイアイ傷害火災保険株式会社 t@biho キャンセル保険
執筆者 : 古澤綾
FP2級