【要注意】「8月から保険証が使えなくなる」ウワサの真偽とは? 熱中症“全額自己負担”で「請求10万円」超も…自分は大丈夫? 知っておきたい“保険証事情”を解説
特に熱中症のリスクが高まるこの時期、病院で治療を受け、いざ会計といったタイミングで「保険証が失効していた」となれば、一時的とはいえ医療費が全額自己負担になる可能性も出てきます。
とはいえ、実際にはマイナ保険証に切り替えの済んでいない全ての人が一律に使えなくなるわけではありません。制度変更の影響で、タイミングによっては8月以降に保険証の効力が切れる人がいる、というのが正確な意味合いです。
本記事では、知っておきたい制度の変更点や自己負担のリスク、保険証について確認すべきポイントを分かりやすく解説します。制度が変わって間もないため、知っている人も最後まで確認しておくと安心です。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
8月でこれまでの保険証が使えなくなる? その理由とは
2024年12月2日以降、これまでの健康保険証は新規発行が終了し、マイナ保険証が基本となる運用に移行しました。ただし、すでに手元にある保険証は、有効期限まで引き続き使うことができます。
また、有効期限の記載のない健康保険証については、最長で2025年12月1日まで利用可能です。
ただし、後期高齢者医療保険加入者は、もともと保険証の更新月が7月末に設定されているため、この夏にちょうど有効期限を迎える人が多いのです。このため、「8月に使えなくなる」といった情報が一部で出ていたものと考えられます。
マイナ保険証を利用していない人には、現在加入している健康保険組合や市区町村から「資格確認書」というカードが自動で送られます。この資格確認書は、これまでの保険証と同様に医療機関での保険診療に利用できるため、マイナ保険証を利用したくない人などは、切り替えなくても大丈夫です。
熱中症で保険証がなかったら? 自己負担はいくらになる?
万一、保険証の有効期限が切れており、マイナ保険証、資格確認書のいずれも持たずに医療機関を受診した場合、医療費は原則として全額自己負担、つまり10割負担になります。
例えば、軽症の熱中症で点滴や血液検査を受けると1万円程度、入院が必要となれば1泊2日でも15万円以上、重症でICU管理となると100万円以上の費用がかかることもあるのです。
本来、健康保険が適用されれば窓口での負担は3割で済みますし、重症の場合は「高額療養費制度」により、月ごとの負担上限も設けられています。また、たとえ10割支払うことになったとしても、後日保険証を確認のうえ申請すれば、差額分は返金されます。
有効期限は大丈夫? 今すぐ確認できる3つのポイント
保険証が「いつのまにか使えなくなっていた」という事態を防ぐために、次の3点を確認しておきましょう。
1. 保険証の有効期限
特に国民健康保険や後期高齢者医療制度の人は、保険証の有効期限が7月末や8月末に設定されているケースが多く見られます。表記がない場合でも、念のため確認しましょう。
2. 住所変更の有無
資格確認書は、マイナ保険証を使っていない人に自動で送られますが、住所変更の届出が済んでいないと届かない可能性があります。有効期限が切れるのに届いていない場合は、住所のある自治体に確認しましょう。
3. マイナ保険証の登録状況
すでにマイナンバーカードを保険証として登録している人は、そのまま利用可能です。ただし、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れていないか確認しておきましょう。有効期限が切れてから3ヶ月間は健康保険証として利用が可能ですが、速やかに更新手続きをするようにしましょう。
まとめ
「8月から保険証が使えなくなる」という話には誤解も含まれますが、夏に有効期限を迎える人がいるのも事実です。ただし、マイナ保険証を利用していない場合でも、資格確認書が自動で送られるなど、保険診療を受けられる仕組みは整っています。
なお、協会けんぽ加入者への資格確認書は、2025年9月から11月にかけて順次発送予定とされているため、現時点で届いていないのは普通のことです。急な通院にも慌てないよう、一度自身の保険証をチェックしてみてはいかがでしょうか。
出典
全国健康保険協会 健康保険証(被保険者証)
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー