7月末で紙の「健康保険証」の多くが期限切れ…会社のカード型の健康保険証も使えないの? マイナンバーカードを作っていない場合どうなる?
本記事では、制度変更の正しい理解と、安心して医療を受けるための準備について解説します。
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目次
紙の健康保険証はいつまで使える? スケジュールと対象者を確認
2024年12月2日に、紙の健康保険証の新規発行は停止され、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」への移行が進められています。
ただし、すでに発行された従来の健康保険証は、有効期限があるものに関しては、その期限までは最長で1年間、引き続き使用できます。デジタル庁によれば、後期高齢者医療制度や国民健康保険の被保険者が持っている従来の健康保険証は、2025年7月以降順次有効期限を迎えるとのことです。
つまり、従来の紙の健康保険証の新規発行停止は2024年12月2日からであり、使用可能期間は健康保険証に記載された期限まで、最長で1年間続きます。
会社のカード型健康保険証も使えなくなるのか? 制度変更後の扱い
企業によっては、カード型の健康保険証を支給している場合があります。健康保険組合の保険証の多くは有効期限が設けられていませんが、その場合は基本的に2025年12月1日まで使用できます。ただし、新規・再発行は原則できません。
マイナ保険証への移行が推奨される背景には、データに基づいたより良い医療が受けられるという利点だけでなく、さまざまな利便性向上も挙げられます。
マイナ保険証を利用すると、高額療養費制度の上限額をその場で計算したうえで自己負担額のみの支払いとなるため、立て替え払いや手続きの手間が不要です。また、マイナポータルから連携することで、確定申告時の医療費控除の申請もスムーズになります。
マイナンバーカードがない場合の受診方法と医療費負担への影響
マイナンバーカード未取得、または健康保険証利用登録をしていない場合でもご安心ください。現状対象者には、申請不要で保険者から「資格確認書」が無償で交付され、医療機関で従来どおり保険診療を受けることができます。
後期高齢者医療制度や国民健康保険の被保険者では、2025年7月末以降に紙の保険証の有効期限が切れた後も「資格確認書」で受診可能です。これにより、全額自己負担になることはありません。
また、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方にも、2025年7月下旬から10月下旬にかけて、対象者に順次「資格確認書」が送付されます(自治体・保険者により送付時期は異なります)。
制度変更を安心して迎えるために今できる準備と注意点
制度変更に伴い、特に注意すべきは「詐欺の被害」です。従来の健康保険証が使えなくなるという内容で、手数料の支払いを要求する詐欺が発生する恐れがありますが、行政からの個別の電話連絡は一切ありません。このような電話はすぐに切り、警察や消費生活センターなどへ相談してください。
制度移行は正しい知識と準備があれば、安心して医療を受け続けることができます。有効期限や交付手続きの時期を事前に確認し、受診時に困らないよう早めに準備しておくことが重要です。自治体や加入している保険組合からの案内を見逃さず、スムーズに移行できるよう対応しましょう。
出典
デジタル庁 8月以降順次切り替え!健康保険証の注意点は?(後期高齢者医療制度・国民健康保険の被保険者の方)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー