夫の会社の「健康保険組合」が解散……!?健康保険はどうなるのでしょうか?

配信日: 2025.08.17
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夫の会社の「健康保険組合」が解散……!?健康保険はどうなるのでしょうか?
従業員とその家族の医療費の給付や、健康診断などの保険事業を行うために、企業が設立する法人が健康保険組合です。もし、健康保険組合が解散することになったら、家族の健康保険がどのような影響を受けるのか、不安に感じるかと思います。
 
今回は、健康保険組合が解散したらどうなるのかについてまとめました。万が一のときのための参考にしてください。
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健康保険組合解散の背景と現状

健康保険組合が解散に至る主な理由には、以下の2つがあるとされています。
 

1.高齢化による医療費の増加で、財政基盤が弱体化したことによる財政難
2.景気低迷による企業の縮小やリストラによる保険料収入減

 
高齢化社会の進展により、医療費は年々増加傾向にあり、前期高齢者納付金や後期高齢者支援金の負担が健康保険組合に重くのしかかっています。多くの健康保険組合が保険料収入だけでは支出を賄えない状況が続いており、赤字運営を余儀なくされている現状です。そのような理由で、解散を選択せざるを得ないケースが増加していると考えられます。
 

健康保険組合が解散するとどうなる?

健康保険組合が解散した場合、以下のいずれかの制度に移行することになります。
 

協会けんぽ(全国健康保険協会)への移行

健康保険組合が解散した場合は、保険の手続きが「協会けんぽ(全国健康保険協会)」に移行するのが一般的です。協会けんぽは、国が運営していた政府管掌健康保険を引き継いだ公法人で、健康保険組合を設立していない中小企業の従業員が加入しています。
 
協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なり、標準報酬月額に応じて事業主と被保険者で分担して保険料を負担しています。通常、移行の手続きは解散した健康保険組合と協会けんぽの間で行われるため、加入者が行うべきことは少ないと考えられます。しかし、一部には申請が必要なものもあるので、不明点がある場合は協会けんぽに問い合わせましょう。
 

別の健康保険組合への統合

企業の合併や再編に伴い、同業種の健康保険組合への統合や、関連会社が加入している組合への移行、地域型の健康保険組合への加入など、別の健保組合に統合されるケースもあります。この場合、新たな健保組合のルールや給付内容が適用されることになります。
 

国民健康保険への移行

会社を退職する場合や、新たな勤務先で健康保険に加入できない場合は、住所地の市区町村が運営する国民健康保険に加入することになります。国民健康保険に加入するときは、市区町村(または国保組合)に14日以内に届け出が必要です。
 
保険料は、前年の所得や加入者数、年齢に基づいて計算されます。計算方法は各市区町村によって異なるため、具体的な金額は居住地によって変化します。
 

健康保険組合解散で変わる点と変わらない点

健康保険組合から協会けんぽに移行すると、多くの場合、保険料率が上昇します。健康保険組合は独自の料率設定が可能ですが、協会けんぽは都道府県ごとに一律の料率が適用されます。一般的には負担増となるケースが多いと考えられるでしょう。
 
また、多くの健康保険組合では、法定給付に加えて独自の付加給付(家族療養費、訪問医療療養費など)を行っています。しかし、協会けんぽでは付加給付を行っていないため、受け取れなくなると考えられるでしょう。
 
また、健保組合が運営・契約していた保養所などの施設は利用できなくなります。基本的な医療保障の仕組みや、高額療養費制度、傷病手当金や出産手当金など、基本的な制度は継続します。
 

まとめ

健康保険組合が解散した場合、原則、協会けんぽ、あるいはほかの健康保険組合などに移行します。保険料率や付加給付の内容は変わりますが、基本的な医療保障制度は継続するため、過度に不安になる必要はないといえるでしょう。
 
健康保険制度は一見、複雑で分かりにくいものです。自身と家族の健康を守るために、制度の変更点や移行後の制度を理解していきましょう。不明点があれば、会社の担当者や協会けんぽの窓口に相談することをおすすめします。健康保険制度は私たちの生活に欠かせない制度です。正しい情報を基に、確実に対応しましょう。
 

出典

厚生労働省 国民健康保険の加入・脱退について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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