親名義の車を息子が日常使い。事故の「修理費120万円」でも保険は無効!? “所有者と使用者が違う”とどうなる?

配信日: 2025.08.23
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親名義の車を息子が日常使い。事故の「修理費120万円」でも保険は無効!? “所有者と使用者が違う”とどうなる?
突然の交通事故により高額な修理費が発生したとき、頼りになるのが自動車保険です。しかし、「車の名義と実際の使用者が違う」場合、保険はきちんと使えるのでしょうか?
 
意外と見落とされがちな“名義の違い”が、万一のときに大きなトラブルになることもあります。本記事では、自動車の所有者と使用者が異なる場合に起こりうる保険の落とし穴と、その対策について解説します。
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所有者と使用者が違っても、保険が使えないとはかぎらない

まず結論からいうと、親が所有者で息子が日常的に運転している場合でも、自動車保険が無効になるとはかぎりません。保険の補償対象は、「記名被保険者(契約上、主に運転する人)」とその家族・同居親族です。
 
したがって、たとえ車の名義(所有者)は父親であっても、息子が記名被保険者として登録されていれば、その息子が運転中の事故であっても保険は有効です。また、修理費が120万円と高額であっても、車両保険に加入していれば、その費用が補償される可能性があります。
 
ただし、保険契約の際に「主に運転する人」を正確に申告していなかった場合は、保険金が支払われない場合もあるため注意が必要です。
 

記名被保険者は誰? 間違えると保険が下りないことも

自動車保険の契約時には、「記名被保険者」を設定する必要があります。記名被保険者とは、実際にその車を主に使用する人を指します。例えば、平日に息子が毎日通勤で使っている場合は、その息子を記名被保険者に設定するのが適切です。
 
保険料は記名被保険者の年齢や運転歴などによって決まるため、「実際は息子が使っているのに、親を記名被保険者にしたままにしている」といったケースでは告知違反と判断され、保険金が支払われないリスクがあります。
 
特に高額な車両保険に加入する際には、契約内容に不備がないかを必ず確認しておきましょう。
 

使用者と所有者の名義が違う場合のリスク

車検証には、「所有者」と「使用者」の欄があります。一般的には、両方が同じ人になっているケースが多いですが、親が所有者で息子が使用者として登録されている場合でも違法ではありません。ただし、以下のような点に注意が必要です。


・保険契約と実態が合っているか(誰が主に運転しているか)
・車両保険の契約内容が所有者名義と一致しているか
・保険の等級の引き継ぎが同居親族間であるか

このように、名義の違いは必ずしも保険が無効になるということではないですが、正しい契約をしていないと、万一のときに補償が受けられないということもあり得ます。
 

事故後に修理費が払われない!? その理由とは

事故によって車の修理費が120万円かかるような場合、車両保険に加入していればその費用は原則カバーできます。しかし、以下のような場合は保険金が支払われない可能性があります。


・保険契約で実際の使用者(息子)を記名被保険者にしていない
・息子が同居ではなく別居しており、家族限定の契約に該当しない
・車両保険そのものに加入していない

つまり、名義が違うだけで保険が無効になることは少ないものの、契約内容と実態が一致していることが重要なポイントとなります。
 

契約内容の確認と見直しが事故後の損失を防ぐ

自動車の所有者と、実際に日常的に運転している使用者が異なる場合でも、正しく契約がなされていれば保険が無効になることは基本的にありません。
 
重要なのは、実際に車を主に使用している人を記名被保険者として適切に設定しておくことです。
 
また、同居の家族であれば保険の等級を引き継ぐことができ、補償も継続しやすいです。しかし、記名被保険者の設定や契約内容が実態とかけ離れていると、保険金が支払われないリスクがあります。
 
所有者や名義の違い、日常使用者の変更は見落とされがちですが、保険契約において重要なポイントです。事故が起きてから後悔することのないよう、今一度、契約内容を確認や、必要に応じて見直しすることをおすすめします。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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