加入している「健康保険組合」から受け取れる「付加給付」とは? どのような場面で「支給」されるの?
そのほかにも、医療費の負担を軽減するために利用できる「付加給付制度」と呼ばれるものがあります。本記事では、付加給付の概要をご紹介するとともに、受け取れる人の条件や金額の目安などをまとめました。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
健康保険の「付加給付」とは?
病院の窓口などで高額な医療費を支払ったとき、公的医療保険の「高額療養費制度」を利用することで基準額を超えて支払った部分の払い戻しを受けられます。「付加給付」は高額療養費に上乗せして医療費を払い戻してくれる制度で、対象になると自己負担額軽減が可能です。
例えば、支払った医療費のうち3割は自己負担、残りの7割が健康保険から支払われるとして、自己負担額のうち高額療養費による払い戻しの対象にならなかった部分の一部(自己負担限度額を差し引いた額)が、付加給付で賄われることになります。
つまり、高額療養費制度のみを利用した場合と比べて、自己負担額が少なくなる仕組みです。
ただし、全ての人が付加給付の対象になるわけではありません。国民健康保険や後期高齢者医療制度にはこの制度がないように、付加給付が受けられるかどうかは加入している健康保険組合によります。
自分が加入している健康保険に付加給付があるかどうか、確認しておくとよいでしょう。
付加給付の金額は?
付加給付の金額については健康保険組合によって異なります。1ヶ月あたりの自己負担額が2万5000円を超えないように設定されている健康保険組合の付加給付を受ける場合、自己負担額がいくらぐらいになるか例を挙げてご紹介します。
例えば、保険診療の費用額が100万円、窓口での自己負担額が30万円だった場合の高額療養費と付加給付を計算してみましょう。
高額療養費は所得区分によって自己負担限度額が決められています。標準報酬月額28万円~50万円と仮定した場合の自己負担限度額は「8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%」で計算するため、この場合の自己負担額は8万7430円です。窓口での自己負担額30万円から差し引き、21万2570円が高額療養費となります。
付加給付の自己負担限度額が2万5000円に設定されている健康保険組合に加入している場合、高額療養費の自己負担限度額である8万7430円から2万5000円を差し引いて6万2430円、1000円未満の端数を切り捨てて6万2000円が付加給付金となります。
高額療養費と合わせると、支給額は27万4570円です。
付加給付を受け取るには申請が必要?
付加給付金を受ける際の手順は、加入している健康保険組合に確認してみるとよいでしょう。健康保険組合によっては、申請が必要な場合と不要な場合があるようです。
申請不要な場合は医療機関からの診療報酬請求書を基に、健康保険組合が計算して自動的に支払うことになっています。申請が必要な場合は健康保険組合から申請書が送付されてくる場合もあるため、自分が加入している組合の場合はどのようになっているのか調べておきましょう。
付加給付がある健康保険に加入している人のみ、医療費が高額になった際に受け取ることができる
支払った医療費の合計が高額になった場合は高額療養費制度を利用できる可能性がありますが、それに上乗せしてさらに「付加給付」を受け取れる場合があります。
付加給付は加入している健康保険によっては制度自体がない場合もあるため、自分の場合はどのようになっているのか確認しておきましょう。
付加給付の自己負担限度額がいくらに設定されているかチェックし、実際にいくらぐらいの給付を受けられるのか計算してみてください。
出典
全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー