70代の母が転んで両足を骨折し“2ヶ月”程度入院することに……。“入院費”や“退院後の介護費用”はどのくらい見込んでおけばいいのでしょうか?
本記事では、入院費や介護費などについて解説します。
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入院費と介護費の平均額
住友生命保険相互会社の試算によると、骨折で入院した場合に必要となる入院費用の平均額は1日あたり1万3962円とされています。1ヶ月を30日として、2ヶ月入院する場合は83万7720円程度と試算できます。ただし、実際にかかる費用は傷病の状況や病院などによって異なるため、あくまで目安です。
一方、公益財団法人である生命保険文化センターが実施した「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、月々の介護費用の平均は9万円です。介護が必要な期間は人によって異なりますが、単純計算で1年間の介護が必要な場合の介護費用は108万円となります。なお、当調査によると介護期間の平均は4年7ヶ月とされています。
ただし実際の介護費用は、サービスの内容や福祉用具の購入などによって大きく変動します。入院費と同様、あくまでも目安として捉えてください。
医療費を抑える方法
傷病の内容によって、医療費が高額になることもあります。入院となれば、経済的負担は大きなものになるかもしれません。ここからは、医療費を節約する方法について解説します。
高額療養費制度の活用
高額療養費制度とは、医療機関や薬局などで支払う医療費の合計が自己負担額の上限を超えた場合、超過分が返ってくる制度です。対象期間は毎月1日から末日までの1ヶ月間です。
高額療養費制度の対象になる医療費は、保険適用の診療に対しての自己負担額です。そのため、入院時の自己都合による差額ベッド代などは対象になりません。
高額療養費制度を利用するためには、加入している公的医療保険に申請書を提出する必要があります。超過分のお金が支給されるまでには、数ヶ月かかることも少なくありません。
高額療養費制度を利用すると自己負担額の超過分が後日返ってきますが、基本的にはいったん窓口で医療費の全額を支払う必要があります。金銭的負担が発生する点には、注意が必要です。
ただし、事前に加入している公的医療保険へ申請書を提出して「限度額適用認定証」を受け取っておくと、支払額が自己負担額の上限までとなります。
また、マイナ保険証を利用している人や70歳以上の人であれば、限度額適用認定証がなくても窓口での支払額は自己負担額の上限までです。
医療費控除を利用する
医療費控除とは、1月1日~12月31日までの1年間で支払った医療費が10万円以上だった場合に利用できる所得控除です。医療費を抑えられるわけではありませんが、課税所得を減らすことで所得税の納税額を抑えられるため、結果的にお得になるでしょう。
医療費控除の対象となる医療費は、納税者本人だけでなく、納税者本人と同一生計にある親族のものも対象となります。同居していることが条件ではないため、例えば一人暮らしをしている子どもが同一生計にある場合はその子どもの医療費を合算することが可能です。
ただし、医療費控除を利用する場合には確定申告をする必要があります。年末調整ができる会社員であっても、医療費控除を利用するために確定申告をしてください。
医療や介護の出費に備えて早めに準備しておこう
住友生命保険相互会社の試算によると、骨折による入院費用の平均額は1日あたり1万3962円とされています。1ヶ月を30日とすると、2ヶ月間入院する場合は83万7720円の費用がかかります。ただし、実際の入院費用は傷病の状況などによって異なるため、あくまでも目安です。
また、公益財団法人である生命保険文化センターが実施した調査によると、介護費用の月平均額は9万円とされています。介護が1年間必要になれば、その費用は108万円です。ただし、実際にかかる介護費用は、介護内容や介護に必要な道具の購入費用などによって異なることに注意してください。
出典
住友生命保険相互会社 入院費用は1日あたりどれくらい必要?
公益財団法人生命保険文化センター 2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査
全国健康保険協会(協会けんぽ) 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー