先日、会社を退職し「個人自業主」として働きはじめたのですが、「国民健康保険」が高すぎて驚いています。少しでも「安くする方法」はないのでしょうか?

配信日: 2025.09.12
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先日、会社を退職し「個人自業主」として働きはじめたのですが、「国民健康保険」が高すぎて驚いています。少しでも「安くする方法」はないのでしょうか?
会社を辞めて個人事業主として活動を始めると、最初に届く「国民健康保険の納付書」に驚かれる方も少なくありません。会社員時代とは仕組みが異なり、保険料の内訳や計算方法を理解していないと、「なぜこんなに高いのか」と不安になることもあるでしょう。
 
そこで本記事では、保険料の負担を軽減する方法を分かりやすくご紹介します。
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なぜ国民健康保険料が「高い」と感じるのか

国民健康保険料は、医療分・後期高齢者支援分・介護分の三つの要素で構成され、それぞれ「所得割」「資産割」「均等割」「平等割」を組み合わせて計算されます。ただし、自治体によって方式は異なるため、同じ年収でも地域によって負担額は大きく異なります。
 
さらに、2025年度からは保険料の上限が引き上げられ、2024年度の約106万円から109万円になりました。そのため高所得者ほど影響が大きく、こうした変更の影響も「高い」と感じる原因になります。
 

合法的に負担を抑える具体策(青色申告や扶養など)

まず、青色申告特別控除(最大65万円)を活用することで課税所得を下げ、結果として国民健康保険料を下げる効果があります。控除額によっては、保険料が5万円以上安くなるケースもあります。
 
次に、経費を漏れなく適切に計上することも有効です。業務に関係する通信費や消耗品費、家事按分を含む自宅事務所分などは、合法的に所得を抑えられます。
 
また、配偶者が会社員で健康保険に加入している場合、自身が扶養に入ることで国民健康保険に加入せずに済み、負担を回避できます。ただし、扶養に入るためには年収要件(概ね130万円未満)があり、厚生年金に加入できないなどの制約があるため慎重な判断が必要です。
 
さらに、退職後2年間は「任意継続被保険者制度」を利用でき、会社の保険を継続すれば国民健康保険より安くなる可能性があります。手続きは退職20日以内に行う必要があります。
 

状況別の減免・軽減制度の活用法

国民健康保険には、所得や状況に応じた減免・軽減制度があり、自治体ごとに異なるものの、活用すればかなりの負担軽減につながる可能性があります。
 
低所得世帯であれば、法定軽減制度によって支払額が2~7割軽減される場合があるでしょう。申請不要で自動的に適用されますが、所得申告の漏れがあると対象外になる場合もあります。
 
また、非自発的失業や出産、災害などの事情がある場合は、申請が必要な特例軽減制度が用意されており、それぞれ対象条件により軽減や免除が可能です。
 
さらに、国民健康保険組合に加入できる業種であれば、組合ごとに一定額で済み、所得に応じて国民健康保険より有利になることがあります。文筆業や理美容、建設などが該当する場合があるため、対象業種であれば検討の価値があるでしょう。
 
最後に、住んでいる自治体を移すことで保険料が安くなることもあります。自治体ごとに料率や計算方式の違いが大きいため、引っ越しを検討する際はシミュレーションしてみるのも一つの手ですが、実住実態のない転居は違法となる可能性があるため注意が必要です。
 

まとめ

国民健康保険料は、退職後に個人事業主になると高額で驚くこともありますが、青色申告や経費計上、扶養、任意継続、減免制度、国民健康保険組合への加入など、合法的に負担を軽くする方法は複数あります。
 
まずは自身の状況に応じて、「節税できる控除や経費を活用する」「扶養や継続制度の適用が可能か確認」「自治体の減免制度を申請」「加入できる組合があるか調べる」といった順で検討すると、確実かつ負担感の少ない方法につながります。
 
これらを組み合わせて活用し、安心して事業に集中できる環境を整えるとよいでしょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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