保険の見直しを検討する前に確認したい3つのポイント
配信日: 2019.05.30 更新日: 2019.06.14
なぜならば、保険は加入前に健康状態を「告知」をする必要があり、その内容によっては加入できない、つまり保険会社が引き受けできないと判断することがあるからです。
告知とは、「告知書」に現在の健康状態を自ら記入し、保険会社に「報告」することを言います。どのような場合に引き受けできないと判断されてしまうのか、お伝えしていきます。
執筆者:高野具子(たかのともこ)
ファイナンシャルプランナー
40社扱う保険会社を扱う来店型保険相談ショップの元店長。保険だけに留まらず、より広い視野で顧客へ金融アドバイスをするため長年勤めた保険ショップを退職。
「出会ったすべての人の懐を温め、心豊かにすること」をテーマに、将来の資金作りのプランナーとして現在活動中。特に自身の経験に基いたコンサルティングは30代40代の女性に「話しやすく何でも相談でき安心できる」と定評あり。
目次
加入できないケース その1. 直前に〇〇していた
人は目の前の悩み事、問題点には興味を持つことができます。例えば「お腹がすいた、夜ご飯はどうしよう? 」というとき、「スーパーに行き、おかずを買う」というように、すぐ行動しますよね。
一方で、先のことにはなかなか目を向けることができません。保険のように、「他界したとき」「病気になったとき」「老後」など、緊急ではないことについてすぐ対策しようと考えることは、少ないのではないでしょうか。
多くの人がどんなときに保険を考えるかというと、「つい最近入院したので、また入院したときにお金がもらえるよう保険に入っておきたい」というように、自分の身に降りかかってから、ということがほとんどです。
この場合、すぐに保険加入することはできません(検査入院などは例外の場合もあります)。なぜならば、保険会社は「一度入院したことがある人は、ゼロの人よりも再入院する可能性が高い」と判断するためです。
加入できないケースその2.病院で「念のため検査しましょう」と言われた
「ちょっと胃もたれがするので、病院に胃薬をもらいに行きました。多分大丈夫だろうけど、次回、念のために胃カメラ検査しましょう、と医師に言われました」
このようなケースも加入が厳しくなります。あるいは、加入できたとしても、胃については保障しませんという条件がつく場合があります。医師は「大丈夫」と言っているのに、なぜ保険加入はできないのか? それは、医学の考え方の違いにあります。
医師の場合、症状に対して「治る」という方向に考えます。しかし保険は症状に対して「悪くなるかもしれない」と考えるため、「黒」とみなします。再検査をして何もありませんでした、と医師からのお墨付きがついて初めて「白」と判断されるのです。
加入できないケースその3.健康診断書で指摘を受けた
「先日健康診断を受けたけど、医師から口頭で特に何も言われなかった」と多くの方がおっしゃいます。
しかし、健康診断時に何も指摘を受けなかったからといって、保険加入ができるとは限りません。後日届く診断結果(書面)には、「再検査が必要」「要注意」などと書かれている場合があります。再検査の指摘を受けると加入できない場合があるので、注意が必要です。
健康診断書をよく見ずにカバンの中にしまい、再検査の指摘があったのを見逃していたということもありますので、結果をきちんと確認してから判断しましょう。
告知では過去2年以内の健康診断の指摘について報告しなければなりません(がん保険など例外のケースもあります)。直前で受けた健康診断の結果が返ってきていない場合は、その結果が届いてから報告します。
保険会社のウェブサイトには、加入前に自分の健康診断結果でも保険加入できるか、判断できるツールもあります。各社で数値の違いがあるので、あくまでも判断の目安として参照していただければと思います。
もちろん保険加入の際に、最も良いのは健康であることです。「健康」というのは自称「健康」ではなく、保険会社が決めた数値を基準として「健康」かどうかということです。
「健康」かどうか、あらかじめ知っておく必要がない?
「保険加入の前に健康診断を受けておらず、病院にも行っていない、という方が入りやすいのでは? 」ということにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
その通りです。実は、「何も報告することがない状態」にしておくこと、つまり直前で病院に通っていない、健康診断を受けていない状態であるほうが保険加入しやすくなってしまうとも言えます。
とはいえ、あくまでも加入しやすいかどうかであり、中には健康診断結果が良ければ、保険料が安くなるという保険もあります。
保険に加入するしないに関わらず、常に自分の健康状態をチェックしておくことはとても大切です。具合が悪ければ病院に行ってください。そのうえで、保険加入直前には「落とし穴がある」ということを頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。
執筆者:高野具子(たかのともこ)
ファイナンシャルプランナー