12月1日で「従来の健康保険証」は“有効期限切れ”に…「資格確認書があれば大丈夫」と思っていたら、医療費が高くなりビックリ! 結局「マイナ保険証」は必要なんですか? 意外と知らないリスクとは

配信日: 2025.11.25
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12月1日で「従来の健康保険証」は“有効期限切れ”に…「資格確認書があれば大丈夫」と思っていたら、医療費が高くなりビックリ! 結局「マイナ保険証」は必要なんですか? 意外と知らないリスクとは
2025年12月1日から、これまで使われてきた健康保険証は原則として廃止され、「マイナ保険証」もしくは「資格確認書」での受診に切り替わります。
 
「資格確認書があれば問題なく受診できるはず」と考える人も多いかも知れませんが、実際には一時的に医療費の自己負担額が高くなったり、公費負担医療が自動で反映されなかったりするケースがあるため、注意が必要です。
 
本記事では、資格確認書で起こりうる支払いトラブルの理由を具体的に解説し、マイナ保険証とどちらを選ぶべきかを紹介します。
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マイナ保険証と資格確認書の位置づけ

2025年12月1日以降、従来の健康保険証は順次廃止され、受診にはマイナ保険証(マイナンバーカード)、もしくは資格確認書を使用することになります。資格確認書とは、マイナ保険証を利用できない人や使いたくない人向けに、いわば「代替的な証明書」として発行されるものです。
 

制度変更の内容

新制度では、医療機関がオンラインで保険資格を確認し、最新情報や薬剤・特定健診情報を共有することが可能です。これにより、受診時の情報確認がスムーズになり、適切な医療提供と事務効率化を進めることが目的とされています。
 

資格確認書で受診すると医療費が高くなることも?

資格確認書は「使えれば今まで通り」と誤解されやすいのですが、実際には医療費が一時的に高くなるケースがあります。
 

高額療養費制度が自動で反映されない

まず注意したいのは、高額療養費制度における「限度額適用認定証」の扱いです。マイナ保険証であれば、限度額の情報が自動で医療機関に連携され、上限額までの支払いで済みます。しかし、資格確認書では情報が自動反映されず、いったん通常の3割負担などで支払わなければなりません。
 
例えば、10万円の医療費が発生し、本来の自己負担額の上限が2万5000円の場合でも、資格確認書では初回で3万円(3割負担の場合)を一時的に立て替えるケースがあります。過払い分は後日還付されますが、急な入院や手術では立て替え額が大きくなり、予期せぬ出費となる可能性があるので注意してください。
 

公費負担医療の情報が連携されないことがある

乳幼児医療費助成や自立支援医療など自治体が実施する公費負担医療制度の情報が、資格確認書では一部反映されず、いったん多めに支払う必要が生じることがあります。これも後日精算できますが、患者が申請しなくてはなりません。
 

資格確認書は更新忘れのリスクも

資格確認書には有効期限(5年以内で保険者が設定)があり、更新を忘れると、資格が確認できず、窓口で一時的に全額負担しなければならない可能性があります。従来の保険証のように自動更新されない点が、大きな違いです。
 
なお、マイナ保険証はマイナンバーカードの電子証明書の有効期限(発行日から5回目の誕生日まで)と連動しています。有効期限の2~3ヶ月前に送付される有効期限通知書を確認のうえ、更新手続きを行ってください。
 

マイナ保険証は医療費の自動処理や情報連携がスムーズに

マイナ保険証のメリットは、高額療養費制度の上限額が自動的に医療機関へ共有される点です。これにより、手術・入院など高額医療の際にも、窓口での負担を大幅に抑えられます。
 
また、自治体の助成制度や保険資格の変更情報が原則自動で連携されることから、「本来ならもっと安いはずなのに、高く請求された」といったトラブルの発生が少なくなります。
 
このほか、マイナ保険証の利用により薬の重複投与防止や、適切な治療につながることも期待されています。医師が患者の医療情報を確認しながら治療できるため、医療の安全性も高まるでしょう。
 

結局、マイナ保険証と資格確認書のどちらを選ぶべき?

ここまで見てきたポイントを踏まえて、選び方の目安を整理していきます。
 

医療費のトラブルを避けたいならマイナ保険証

高額療養費制度や公費負担医療制度の利用が見込まれる人、家族に持病がある人、子どもがいる家庭は、マイナ保険証のほうが、窓口での負担が軽くなる可能性が高いでしょう。立て替えする必要がないため、家計管理のうえでも大きなメリットです。
 

資格確認書は「代替措置」としては有効だが、長期利用には向かない?

資格確認書は、マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行期間に、代替として発行される制度といえるものであり、利便性や自動処理の面ではマイナ保険証に劣ります。一時的な負担増のリスクを踏まえると、長期的に使う前提では設計されていません。
 
ただし、マイナ保険証の読み取りエラー時など、万一の保険証確認手段として資格確認書を持っておくのは、安心材料になるでしょう。
 

窓口負担軽減のためにも早めのマイナ保険証移行がおすすめ

資格確認書は、マイナ保険証を利用できない人・使いたくない人向けの、いわば代替措置であり、従来の健康保険証の完全な後継ではありません。特に、高額療養費制度や公費負担医療の自動反映が行われないため、窓口で一時的に全額負担し、後日精算となる場面が出てきます。
 
一方、マイナ保険証は医療費処理が正確で、助成制度や薬剤情報とも連携されます。受診時の負担をできるだけ軽減したい人は、早めにマイナ保険証へ移行しておくのがいいでしょう。
 

出典

厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット
厚生労働省 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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