「独身税」こと“子ども・子育て支援金”。“年収600万円”だと「月額1000円程度」の負担増になりそう?年収に応じた負担額を紹介
本記事では、子ども・子育て支援金の概要や1人当たりの徴収金額を解説します。
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目次
令和8年度より拠出が始まる“子ども・子育て支援金”
2026年から、医療保険に加入している人は、医療保険料に上乗せされる形で子ども・子育て支援金を負担することになります。
加速し続ける少子化・人口減少の対策として、2024年6月に子ども・子育て支援金制度が成立しました。子育てを社会全体で支えていく考えのもとに成立した制度であり、徴収された支援金は子育て支援のための財源として使われます。
子育て世帯を中心に恩恵のある制度ですが、支援金の徴収は子どもを持たない人や高齢者、事業主などにも及ぶため、「独身税」と呼ばれることもあります。表1は、支援納付金対象費用とその開始時期一覧です。
表1
| 対象費用 | 開始時期 |
|---|---|
| 児童手当(拡充分) | 2024年10月 |
| 妊婦支援給付金 | 2025年7月 |
| 出生後休業支援給付金 | |
| 育児時短就業給付金 | |
| こども誰でも通園制度 | 2026年4月 |
| 国民年金第1号被保険者の育児期間中保険料免除 | 2026年10月 |
| 子ども・子育て支援特例公債の償還金等 | 2024年度 |
※こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室「子ども・子育て支援金制度について」を基に筆者作成
ただし、一部自治体は先行で支援を開始しているところもありますので、正確な情報は各自治体のHPをご確認ください。
“子ども・子育て支援金”は「医療保険料」と合わせて拠出
子ども・子育て支援金は医療保険料とまとめて徴収され、毎月の給与から天引きされる社会保険料に加算されます。世帯単位ではなく、医療保険に加入している個人を単位として拠出されるため、共働き世帯であれば夫婦それぞれから徴収されるでしょう。
支援金制度は2026年から2028年にかけて段階的に構築される見込みです。集められた財源は介護保険料と同様に目的が限定され、子育て支援のためだけに使い道が設計されているため、流用するようなことはないと説明されています。
加入者1人当たりの支援金額は? “年収600万円”だと「月額1000円」の負担増!?
支援金の金額は加入している保険や年度によって異なります。全ての保険制度における、年度ごとの見込み金額は以下の通りです。
・2026年:250円
・2027年:350円
・2028年:450円
被用者保険に加入している場合は、年収に応じて金額が変動します。以下は、想定されている金額です。
・年収200万円:350円
・年収400万円:650円
・年収600万円:1000円
・年収800万円:1350円
・年収1000万円:1650円
この数字はあくまでも試算ですが、年収600万円の場合は1ヶ月あたり約1000円の負担増になるでしょう。なお、こども家庭庁の資料には今後政府によって尽力される賃上げ政策によって十分な金額が確保できた際には、拠出される支援金の月額が下がっていくと記述されています。
まとめ
2026年から毎月の社会保険料に上乗せされる形で子ども・子育て支援金が拠出されます。医療保険に加入しているすべての人から徴収されるため、同じ保険制度・年収条件であれば、子育てをしているかどうかによって負担額が変わる仕組みではありません。
支援金額は年度・加入保険・年収などにもよりますが、年収600万円であれば、1ヶ月あたり約1000円の負担増になりそうです。「独身税」という言葉から誤解を招くこともありますが、制度の実態は、医療保険加入者全体で子育て支援を支える仕組みとなっています。
出典
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について
こども家庭庁長官官房総務課支援金制度等準備室 子ども・子育て支援金制度について 2025年3月 4ページ目 1.子ども・子育て支援法
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度の概要について 8ページ目
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー