結婚したら、まずはどんな保険に入るべき? 保険の基礎知識を解説!

配信日: 2025.12.23
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結婚したら、まずはどんな保険に入るべき? 保険の基礎知識を解説!
「保険はよく分からない」という方は、多いのではないでしょうか。家計相談をしても、「保険にはなんとなく加入している」という方がいらっしゃいます。
 
そこで本記事では「保険とは何か?」「どのような保険に加入するべきか?」について解説します。「結婚を機に保険に入ることを検討している」という状況を想定していますが、保険の基本的な考え方を紹介しており、他の場面でも応用できる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

保険とは何か?

私たちが生活をするうえで、お金はかかすことができません。そのため、私たちはできるだけお金を計画的に使おうとします。しかし、予期せぬ“事故”によって「収入が減る(なくなる)」「お金が足りなくなる」可能性があります。
 
ここでいう事故とは「死亡」「病気やけが」などのことで、それによる経済的(金銭的)な損失を「経済的リスク」といいます。保険は、この「経済的リスク」に備えるためのものです。
 
ところで、「社会保険」をご存じでしょうか。社会保険とは公的保険のことで、「公的医療保険」「公的介護保険」「労働保険」「公的年金」に分類されます。それぞれの保険の役割は、以下のとおりです。
 

・公的医療保険:日常生活における病気・けがなどに備える
・公的介護保険:介護に備える
・労働保険:失業や業務中の病気・けがなどに備える
・公的年金:死亡・障害・老後(長生き)に備える

 
社会保険は、具体的には以下のとおりです。
 

・公的医療保険:国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療保険
・公的介護保険:介護保険
・労働保険:雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)
・公的年金:国民年金、厚生年金保険

 
社会保険は、強制加入の保険です。この機会に、ご自身が加入している社会保険はどれかを確認しておきましょう。
 

どのような保険に加入するべきか?

私たちが「保険」というとき、一般には社会保険(公的保険)ではなく、民間保険(私的保険)を指します。
 
社会保険と民間保険で大きく異なることのひとつとして、社会保険が強制加入の保険であることに対し、民間保険は任意加入の保険だということです。このため、「社会保険でカバーできないリスクを民間保険でカバーする」という考え方が基本となります。
 
「どのような保険に加入するべきか?」を考えるには、「どのような経済的リスクがあるか?」を考える必要があります。
 
例えば、結婚をした場合の経済的リスクについて考えてみます。この場合の予期せぬ事故には「夫・妻の死亡」「夫・妻の病気やけが」があり、それに伴う金銭的な損失は「収入がなくなる」「収入が減り、医療費がかかる」などが考えられます。
 
ところで、保険に加入するうえで考えるべきことに「必要保証額」があります。必要保証額とは、簡単にいえば「もし“事故”が起きたらいくら足りなくなるのか?」ということで、「“事故”後に必要なお金」から「“事故”後に得られるお金」「預貯金など」を差し引いて計算し、この金額が「いくら保険をかけるのか?」の目安となります。
 
仮に夫が死亡した場合、「死亡後に必要なお金」として妻の生活費、「死亡後に得られるお金」として夫の遺族年金(遺族厚生年金)や妻の収入などが考えられます。
 
この「死亡後に得られるお金」に「預貯金など(夫の遺産や妻の預貯金など)」を加えてもなお「死亡後に必要なお金」が足りないのであれば、足りない分だけ保険(この場合は生命保険)に加入すればよく、足りるのであれば保険には加入する必要がないといえます。
 
また、仮に夫が病気で一時的に働けなくなった場合、「療養中に必要なお金」として夫婦の生活費や医療費、「療養中に得られるお金」として妻の収入などが考えられます。
 
この「療養中に得られるお金」に「預貯金など」を加えてもなお「療養中に必要なお金」が足りないのであれば、足りない分だけ保険(この場合は医療保険)に加入すればよく、足りるのであれば保険には加入する必要がないといえます。なお、医療費については、社会保険(公的医療保険)に加入していることを考慮する必要があります。
 
このように見ていくと、人によっては「結婚を機に加入すべき保険は特にない」という結論になるかもしれません。
 
筆者としては、保険への加入を検討するなら結婚ではなく出産のタイミングではないかと考えます。結婚してまだ子どもがいないときの経済的リスクは低いと考えられるため、保険に加入する必要性は低いといえます。一方、子どもが生まれてからの経済的リスクは高いと考えられるため、保険に加入する必要性は高いといえます。
 

まとめ

本記事では「保険とは何か?」「どのような保険に加入するべきか?」について解説しました。まとめると、以下のとおりです。
 

・保険とは、経済的リスクに備えるためのもの
・社会保険に加入していることを踏まえたうえで、必要保証額に応じた保険に加入するべきである

 
保険は、あくまで予期せぬ“事故”による経済的損失に備えるためのものです。そのため、保険に加入するべきかどうかは、どのようなリスクがあり、どのような損失があるかを想定して検討する必要があります。
 
必要保証額は、ライフステージによって異なります。例えば、結婚したとき、子どもが生まれたとき、子どもが独立したときでは、それぞれの必要保証額は異なります。
 
一般に、必要保証額が最大となるのは、末っ子が生まれたときです。この点と「社会保険でカバーできないリスクを民間保険でカバーする」ということを踏まえ、保険への加入を検討されるとよいでしょう。
 
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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