夫の入院費が“12万円”かかった月。「限度額適用認定証」を使ったら、負担はどこまで減る?

配信日: 2026.01.04 更新日: 2026.01.05
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夫の入院費が“12万円”かかった月。「限度額適用認定証」を使ったら、負担はどこまで減る?
家族が突然入院し、多額の医療費がかかってしまうと不安になることでしょう。こういった問題は、どんな家庭にも起こりえることです。
 
一方で、医療費は「限度額適用認定証を使えば負担が減る」と聞いており、実際のところどれくらい負担が軽減されるのかと疑問に思うこともあるでしょう。
 
そこで今回は、もし夫が入院し12万円の医療費を払ったという世帯が、入院時に「限度額適用認定証」を提示できていたとすると自己負担はいくらになるのかという問題を仮定し、あわせて高額療養費制度による負担の軽減について一緒に考えていきましょう。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

「限度額適用認定証」とは?

「限度額適用認定証」とは、高額療養費制度を利用するのに必要なものです。高額療養費制度では、医療機関などの窓口で支払った1ヶ月の金額(保険診療分)が自己負担限度額を超えた場合に、その超過分を払い戻してもらえます。事前に限度額適用認定証を申請し、医療機関などの窓口に提示することで、窓口負担を自己負担限度額まで減らすことができます。
 
この自己負担限度額は、年齢や所得によって変動します。参考までに、70歳未満の方の場合、住民税非課税者であればひと月の上限額は3万5400円です。
 
なお、平均的な収入(年収約370万円~約770万円を想定)がある場合、ひと月の上限額は「8万100円+(医療費-26万7000)×1%」で計算されます。そのため、今回のケースのように、夫の医療費が12万円かかった場合、3割負担であれば、4万円程度負担が小さくなることが想定される具合です。
 
ただし、上記は過去12ヶ月以内で3回目までの金額になります。過去12ヶ月以内に3回以上上限額に達した場合は、4回目から「多数回該当」という扱いを受けることとなり、自己負担限度額がより有利な金額に変わるのです。
 
厚生労働省によれば、具体的には、70歳未満で平均的な収入(年収約370万円~約770万円を想定)であれば、4万4400円が限度額になります。月に12万円の入院費を払った場合に、7万5600円もの軽減がなされる場合があるのです。
 

注意点は入院費の総額ではなく「ひと月ごと」という点

限度額適用認定証を利用し、高額療養費制度の適用を受ける際の注意点は、自己負担額の上限の適用がひと月ごと(月の初めから終わりまで)で判定される点です。つまり、医療費の総額が高くても、月をまたいで発生した場合などには高額療養費が支給されないことがあります。
 
例えば、70歳未満で平均的な収入(年収約370万円~約770万円を想定)の夫が6月30日の入院で自己負担5万円、翌日、すなわち翌月7月1日に自己負担7万円かかったとしましょう。この場合、合計額こそ12万円ですが、各月ではそれぞれ自己負担上限額を下回るため、高額療養費制度は適用されず、12万円は全額自己負担になります。
 
また、入院費といっても、入院時の食事代や差額ベッド代など一部の費用や、診療と直接的に関係のない費用は、高額療養費制度の対象外という点にも注意してください。
 

事後に高額療養費制度を申請することはできないの?

実際に病院で診療を受ける際に、限度額適用認定証を提示しなくとも高額療養費制度の適用を受けることはできます。具体的にいうと、自身が加入している公的医療保険に高額療養費の支給申請書を提出もしくは郵送することで支給が受けられます。
 
詳細な手続き方法などは、加入している医療保険の窓口にご相談ください。
 

まとめ

入院費が12万円かかったとしても、限度額適用認定証を利用することで、高額療養費制度が適用され、平均的な収入の世帯では、自己負担額を8万円程度に圧縮できる場合があります。
 
仮に、現在手元に限度額適用認定証がなくとも、制度の対象であれば、申請することで払い戻しを受けることができます。
 
とはいえ、入院や手続きのタイミング次第では、高額療養費制度が適用されなかったり、制度の適用が遅れたりして、金銭的に困窮してしまうこともあるかもしれません。
 
入院費について高額療養費制度の適用を受けたいと考えているのであれば、早めに加入している医療保険の窓口に相談することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ (平成30年8月診療分から)(7ページ)

 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

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