病院でもらえる「解熱剤」や「花粉症薬」の自己負担が、市販薬購入で“最大20倍”に激増!? 市販薬と似た有効成分の「処方薬」が“保険適用外”になったら私たちの“医療費負担”はどのくらい増える?

配信日: 2026.01.15
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病院でもらえる「解熱剤」や「花粉症薬」の自己負担が、市販薬購入で“最大20倍”に激増!? 市販薬と似た有効成分の「処方薬」が“保険適用外”になったら私たちの“医療費負担”はどのくらい増える?
かぜや花粉症の薬は、市販薬より安心で安価なことから、医療機関の処方薬を選ぶ人もいるでしょう。しかし、医療機関で処方されるOTC類似薬は、保険適用からの除外が検討されているようです。
 
本記事では、OTC類似薬の概要や医療用医薬品とOTC医薬品の価格などを解説します。
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市販薬に近い有効成分の「OTC類似薬」は保険給付見直しが検討中

OTC類似薬とは、市販薬(OTC医薬品)と同じ、または似た有効成分を含む処方薬のことです。
 
OTCとはカウンター越しに販売されるという意味で、OTC医薬品は処方箋なしにドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品を指します。かぜ薬・湿布・胃腸薬など比較的軽い症状に用いられ、自己判断で使用できることからセルフメディケーションに用いられることが多いようです。
 
政府はセルフメディケーション税制の導入に代表される、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を目的とした保健医療政策を推進しています。しかし、市販薬よりも保険適用となる分、安く購入できるOTC類似薬を選ぶという状況が発生しているようです。
 

医療用医薬品の代わりにOTC医薬品を購入する場合、品目によって自己負担額は保険適用の「最大20倍」、湿布薬で「最大36倍」となる可能性も

表1は、厚生労働省がまとめている、医療用医薬品とOTC医薬品の薬剤費比較です。
 
表1

医療用医薬品 OTC医薬品
品目 薬剤費 患者自己負担(3割) 薬剤費
花粉症薬 フェキソフェナジン 錠剤 60mg 14日分 291.2円~803.6円 87.4円~241.1円 743円~2075円
総合感冒薬 非ピリン系感冒剤 散剤 8日分 156.0円~218.4円 46.8円~65.5円 1634円~2343円
解熱鎮痛薬 ロキソプロフェンナトリウム水和物
錠剤 60mg 4日分
121.2円 36.4円 299円~768円
湿布薬 ロキソプロフェンナトリウム水和物
テープ 50mg 14枚
177.8円~180.6円 53.3円~54.2円 525円~1958円

出典:厚生労働省「第202回社会保障審議会医療保険部会(ペーパーレス) 資料」を基に筆者作成
 
自己負担割合が3割の場合、医療用医薬品をOTC医薬品で代替すると、花粉症薬や解熱鎮痛薬は保険適用の自己負担額に対して最大20倍、湿布薬は最大36倍に跳ね上がると予想されています。
 

保険適用除外には「強い懸念」を示す有識者も

患者の自己負担額が跳ね上がる恐れがあることから、OTC類似薬の一律の保険適用除外に懸念の声も上がっています。
 
厚生労働省「第205回社会保障審議会医療保険部会」では、「過度な負担や急激な変化が生じないよう十分な配慮を行うべき」という意見も上がっています。ほかに「保険外併用療養のような形で別途負担を求める」「選定療養で追加の自己負担を求める」「償還率を変える」などの案も上がっているようです。
 
また、低所得者や子ども、難病患者や障がい者など配慮が必要な人の範囲も検討されています。同じOTC類似薬の中でも、「用法・用量」「効能・効果」「対象年齢」「投与経路」「剤形」などによって扱いが変わるかもしれません。
 

まとめ

OTC類似薬が保険適用から除外されると、代わりにOTC医薬品を購入する場合の患者自己負担額が約20~36倍に跳ね上がる恐れがあります。しかし、保険適用除外には強い懸念を示す有識者もいるようです。実際の負担額がどうなるのか、OTC類似薬は保険適用から完全に除外されるのか、今後の動きに注視しましょう。
 

出典

厚生労働省 第202回社会保障審議会医療保険部会(ペーパーレス) 資料 資料1-2 薬剤給付の在り方についてー長期収載品・先行バイオ医薬品・OTC類似薬ー 医療用医薬品とOTC医薬品の薬剤費比較(39ページ)
厚生労働省 第205回社会保障審議会医療保険部会(ペーパーレス) 資料 資料1-1 OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しの在り方について 医療保険部会での主な意見(2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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