65歳になった父が「介護保険料が急に高くなった」と憤慨。 聞いてみると、退職金が「所得」として影響しているかもしれないとのこと。このようなことがあるのでしょうか…?
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
介護保険料は前年の所得をもとに段階が決まる
65歳以上の介護保険料は、市区町村が定める所得段階に沿って決まります。多くの自治体では、本人と世帯の住民税の課税状況と、本人の前年の合計所得金額などで段階を判定します。
つまり、今年の保険料が高いと感じたときは、まず前年の所得が高くなっていなかったかを疑うのが基本です。実際に自治体の案内でも、所得段階は前年の合計所得金額などで算定されると説明されています。
また、年金天引きの場合、4月からの天引きは昨年度と同額で仮に進み、住民税の決定後に7月頃に確定し、10月以降で調整されることがあります。途中で金額が変わるのは、この仕組みが背景です。
退職金が介護保険料に影響することはある
退職金は税金の世界では退職所得として扱われ、退職所得控除などを差し引いたうえで計算されます。退職所得は他の所得と分けて税額を計算するのが原則です。
そして、介護保険料の段階判定に使う合計所得金額には、総所得金額に加えて、申告分離課税の所得や退職所得金額を加算するという説明をしている自治体もあります。つまり形としては、退職金が所得として段階を押し上げる可能性はあります。
ただし、ここがややこしいところです。退職金を一時金で受け取り、退職所得の受給に関する申告書を提出して会社側で所得税や住民税の精算まで完了する形だと、本人が追加の申告をしない限り、保険料算定に影響しないと説明している自治体もあります。
一方で、医療費控除などで確定申告をしたり、還付を受けるために申告をすると、その退職所得などが保険料算定に合算され、結果として保険料が上がる場合があるとも案内されています。同じ退職金でも、手続きのしかたで結果が変わることがります。
確認すべきは前年所得と申告の有無
退職金が介護保険料を押し上げることは、条件次第で起こり得ます。ただし、ずっと何年も影響が続くよりも、受け取った翌年度に一時的に上がるケースが基本です。もし保険料が高いと感じたら、通知書に書かれている所得段階と、段階判定のもとになった前年の所得の内訳を確認するのが近道です。
退職金をいつどの形で受け取ったか、確定申告をしたかも一緒に整理して、市区町村の介護保険担当に照会すると、なぜその金額になったのかを具体的に説明してもらえます。理由が分かれば、来年度以降の見通しも立ちやすくなります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー