半年前に入社したばかりのエステサロン。来月末で閉店すると言われました。会社都合退職になったら、勤続半年でも給付されるお金はありますか?
この手当は、失業中の生活を支えつつ、できるだけ早く再就職できるようにすることを目的としています。今回のケースは、定年などの自己都合でなく、店舗の閉店という会社都合の退職に該当するようです。
本記事では、会社都合退職の場合の基本手当の受給要件や、給付日数などについて確認していきます。
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
基本手当の受給要件
雇用保険の被保険者が離職して、次の2つの要件にあてはまるときは一般被保険者については基本手当が支給されます。ハローワーク インターネットサービスの「基本手当について」によると、基本手当の受給要件は以下のとおりとなります。
(1)ハローワークに来所し、求職の申し込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
⇒基本手当は、あくまでも再就職等の支援を目的としているため、病気やけが、妊娠・出産・育児、定年後の休養、家事専念などですぐに就職できない場合には、要件に該当しないことを覚えてきましょう。
(2)離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。
ただし、特定受給資格者または特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある場合でも可能とされています。
被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヶ月ごとに区切っていた期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヶ月と計算します。
⇒会社都合の退職の場合には、被保険者期間の要件が緩和される可能性があることを覚えておきましょう。
特定受給資格者に該当する場合
今回のケースのように、事業所の廃止や会社の倒産、解雇などのケースでは、特定受給資格者に該当する可能性があります。この場合、被保険者期間の要件(通常は2年間で12ヶ月以上)が緩和され、離職前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間あれば、基本手当を受給できます。
なお、会社都合となるかの判断は、ハローワークにおいて離職理由を証明する客観的資料等による判断を経て行われるため、注意が必要です。
特定受給資格者の基本手当の給付日数
雇用保険の一般被保険者に対する基本手当の給付日数は、離職時の年齢と雇用保険の被保険者であった期間に応じて決定され、90~360日の間で決められます。そのうち、会社都合による離職となった特定受給資格者については、一般離職者(自己都合退職者)に比べて給付日数が長くなる場合があります。
図表1は、特定受給資格者の場合の給付日数となります。
図表1
厚生労働省 ハローインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」より筆者作成
今回のケースで、仮に、半年前に入社で雇用保険の被保険者期間が6ヶ月であった場合は、受給資格者の年齢に関わらず90日分の基本手当の受給日数となります。
基本手当の支給額
前述の給付日数に、1日当たり受給できる金額である「基本手当日額」を掛けたものが基本手当の総支給額となります。
基本手当日額は原則として、離職日の直前の6ヶ月に毎月決まって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計額を180で割った「賃金日額」に給付率(おおむね50~80%)を掛けて算出されます。賃金日額が低い方ほど高い給付率が高くなるよう設計されており、低賃金者ほど手厚い保護が図られています。
つまり、基本手当日額に給付日数を掛けた金額が基本手当の総支給額となります。なお、基本手当日額には年齢ごとに上限額も定められていますので、実際の支給額はハローワークでご確認ください。
まとめ
突然、会社の倒産や事業所の閉鎖などによって、離職を余儀なくされる場合もあります。基本手当は離職理由によって、おおむね「自己都合」と「会社都合」の退職に分類され、それぞれの受給要件や給付日数が異なります。
具体的な受給要件の適合状況や給付日数については、ハローワークの決定を基に確認しましょう。
出典
厚生労働省 ハローワーク インターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 ハローワーク インターネットサービス 基本手当の所定給付日数
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
