世代別にみる受療率(入院の確率)。70代は30代の6倍!
配信日: 2017.10.27 更新日: 2019.01.11
病気やケガで入院する時の経済的備えとして医療保険に加入する人は多いですが、入院したことのない人は、入院は他人事のような感じがするのではないでしょうか。
少しでも自分の事として考えてもらうために、入院する確率(受療率)を調べてみました。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
70代前半の入院受療率は30代の6倍
厚生労働省の患者調査は3年に1度、全国の医療施設を利用する患者の状況を調査しています。調査内容には入院や外来の受療率に関するものもあり、年齢階級別の入院受療率と外来受療率をグラフにしてみました。
受療率は推計患者数を人口10万対で表しているので、受療率(グラフの縦軸)が1,000だと確率1%と言うことになります。
入院の受療率は5~9歳と10~14歳が92で最も低く、そこから年齢に比例して上昇していきます。40~44歳の受療率は330、50~54歳は591と徐々に上がっていき、60~64歳で1,000(1%)を超えて1,064になります。
それでもグラフで見るとまだまだ低く、70歳あたりから受療率が急上昇し、90歳以上で8,412になります。70代前半の入院受療率を30代(30~34歳および35~39歳)と比べると約6倍にもなります。
外来の受療率もおおよそ年齢に比例して上昇していきますが、入院と少し異なるところもあり、15~19歳が1,937で最も低く、80~84歳が12,606で最も高くなっています。
外来の受療率(総数)は入院の5倍以上ですが、90歳以上に限っては入院と外来の受療率がほとんど変わりません。
医療保険は将来のリスクに備えて加入する
医療保険に加入することの多い20代~40代では相対的に受療率が低いです。そのため、保障の必要性を実感できる機会がなかなかありません。
しかし、受療率のグラフのとおり将来は受療率が累進的に上がっていきます。50代や60代で加入しようとしても、病気やケガでの入院歴や通院歴があると、新規で医療保険等に加入することは難しくなっていきます。
健康に不自由のない若いうちは、医療保険等に加入しても保険を使う機会がないかもしれませんが、将来にわたって安心できる備えを確保しておく絶好の機会と言えます。
保険加入は、保険会社から加入の可否を決められてしまうよりも、数多くの保険商品の中から自分の希望するものを選んで加入する方が良いですよ!
Text:松浦建二(まつうらけんじ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士