「新型コロナウイルスによる肺炎」で保険金は受け取れる?

配信日: 2020.03.18

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「新型コロナウイルスによる肺炎」で保険金は受け取れる?
毎日のように耳に入る新型コロナウイルス関連のニュースに、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。もし身近で発生した場合、保険で補償されるのかについて解説します。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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医療保険や生命保険は受け取れる!

まず、新型コロナウイルスによる肺炎の治療費用は原則として「公費負担」です。PCR検査は都道府県が必要と判断したときのみ受けられ、その場合は無料です。
 
自分で負担すべき医療費はほぼないのですが、医療保険や生命保険の対象になります。ほかの病気と同様に、加入している保険の内容に応じて、入院時や死亡時には保険金を受け取ることができます。

海外旅行保険でも補償してもらえるかも!

今回の新型コロナウイルスについては、多くの海外旅行保険で補償の対象になっています。
 
海外旅行保険に含まれる、治療費用をまかなえる特約、病気を発症して亡くなったときに補償される特約、渡航先に退避勧告などが出て旅行をキャンセルせざるを得なくなったときの費用を補償する特約、いずれも基本的に補償されます。
 
ただ、「旅行行程終了後72時間以内に発病した病気」や「渡航中止勧告が発令された2020年1月24日の前日までに契約された旅行に限る」など細かい規定が存在することもあるため、保険会社のホームページで確認したり問い合わせをしたりするのが確実です。
 
そのほか、クレジットカードに自動的に付帯されている海外旅行保険や、旅行予約サイトや航空会社などが独自に用意している旅行キャンセル時の費用を補償する保険などでも保険金を受け取れることがあるので、チェックしてみると良いでしょう。
 
一方、国内旅行保険については、「傷害(ケガ)の保険の一種」という扱いになるため、新型コロナウイルスを含め病気全般が対象外となることが多いようです。

企業の損害保険では補償対象にならないケースも

個人が加入している保険では補償対象となることが多いのですが、企業が加入している損害保険の場合はまた事情が違います。
 
災害で休業することになった場合に備える保険や、開催予定だったイベントを中止せざるを得なくなった場合に備える保険は以前から存在していて、すでに加入している企業や団体も多いでしょう。
 
ただ、こういった法人向けの保険では今回の新型コロナウイルスが補償の対象外となるケースが多く、場合によっては大きな損害を被ってしまう可能性もあります。保険会社や契約内容ごとに補償範囲が少しずつ異なるため、該当しそうな保険があればぜひ問い合わせてみましょう。

各自でできるウイルス対策を徹底しよう

今回の新型肺炎が自分に関係ないまま終息してくれれば良いのですが、2020年2月時点では感染者数は増加傾向にあり、まだしばらくこの状況は継続しそうです。
 
先述のとおり治療費の心配はいりませんが、特に高齢者や持病のある方は体調面で大きな不安を抱えることも多いでしょう。個人としてできることは限られていますが、なるべく感染を広げないために、手洗いなど小さくても確実な対策をしっかり行いたいところです。
 
(出典)
厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(発生状況や行政の対策)~診断方法について~」
厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(発生状況や行政の対策)~PCR実施ができる場所や費用について~」
内閣官房「新型コロナウイルス感染症の対応について」
「新型コロナウイルス感染症の指定感染症等への指定について」
日本経済新聞 2020年2月18日付 朝刊「新型肺炎の保険範囲 企業の操業停止、対象外多く 個人、入院時に補償」
AIG損保「新型コロナウイルスによる感染症に関する保険の取扱いについて」
損保ジャパン日本興亜「新型コロナウイルスに関する海外旅行保険等の取扱いについて」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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