最近流行りの自転車保険。どう考えればいいの?
配信日: 2020.04.21
今回は、自動車保険加入のポイントを整理していきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
自転車保険ってなに?
自転車保険は、平たくいうと、傷害保険に個人賠償責任特約などがくっついた保険です。損害保険会社の多くで取り扱われており、ベースになっているのは傷害保険です。
これに自転車事故で想定される賠償リスクなどを付加した自転車運転者向けの傷害保険といえます。
補償内容としては、自転車事故によるケガを原因にした入院や手術、通院を受けた場合の治療費への補償や死亡・後遺障害を被った場合の保険金といった、傷害保険での補償内容を基礎にしています。
これに特約として、自転車事故を起こした結果、相手方から損害賠償請求をされた場合に備える個人賠償責任特約や、示談交渉サービス、自転車事故で話し合いがもめてしまい、弁護士に解決を依頼する場合の弁護士費用特約、そして、ロードサービスや盗難した場合の補償などが付けられるようになっています。
自転車保険に加入する際の判断ポイント
考えるべきポイントは、例えば、子どもが自転車を運転していて転んでしまい、ケガをしたときの治療費の補償です。自転車保険とは別に傷害保険に入っている場合、補償が重複する可能性があるため、新たに加入する必要はないと考えられます。
また、自転車を運転している人が加害者になってしまうケースも考慮が必要です。例えば、自転車運転中に歩いているお年寄りを跳ねてケガをさせてしまった場合や、運転中に他人の物を壊してしまい損害を与えてしまった場合です。
このような状況では、被害者側(相手側)から損害賠償を請求される恐れがあります。
上記のケースでは、自転車保険の個人賠償責任特約でカバーされることになります。仮に、火災保険や自動車保険で個人賠償責任特約をつけている場合、補償が重複する可能性があります。
自転車保険に加入する際は、補償内容が重複する保険に入っていないかを再確認する必要があります。傷害保険に入っていない、火災保険や自動車保険などに個人賠償責任特約を付けていないといった場合には、自転車保険の加入の必要性があると考えられます。
まとめ
自転車による事故が増えているといわれています。自転車と歩行者、自転車同士の衝突などが考えられますが、自分以外の誰かを傷を負わせてしまったり、死亡させてしまったりしたときのことを考えると、今後、自転車保険の必要性は高まっていくかもしれません。
考えるポイントとしては、自動車保険と同じようなリスクを想定してみることです。家計面を考えると、補償の重複は避ける必要がありますが、車と同じく乗り物である自転車。
自転車に乗る責任について、同時に考える良い機会なのかもしれません。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)