専業主婦が社会復帰に不安な場合、知っておくべき制度とは?

配信日: 2018.01.28 更新日: 2019.05.17

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専業主婦が社会復帰に不安な場合、知っておくべき制度とは?
出産や育児を機に仕事を辞めたものの、子どもにも手がかからなくなり、そろそろ仕事を始めたい。でも、ブランクがありすぎて社会で通用するかどうか不安・・・そんなことを考えながら毎日が過ぎていくという専業主婦の方は、教育訓練給付制度を利用してみてはいかがでしょうか。

この制度は、能力開発やキャリア形成を支援してくれる雇用保険の制度です。制度の対象となる講座を受講し、知識を身に付けてから、あるいは資格を得てから社会復帰するのです。

知識や資格を得ることで自分に自信がつくので、社会復帰に対するハードルが低くなるかもしれません。
前田菜緒

Text:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

教育訓練給付制度とは

キャリアアップ支援や再就職等促進のため、所定の講座を受講し修了すると支払った費用の一部がハローワークから支給される雇用保険の給付制度です。
 
一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金の2種類がありますが、今回は一般教育訓練給付金について取り上げたいと思います。
 
まず、給付制度の対象となる講座は調理師、介護事務、インテリアコーディネーター講座など幅広い分野で多数あります。どんな講座があるかは、厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システムで検索ができます。
http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form
 
支給金額は、専門学校などの教育訓練施設に支払った金額の20% (上限10万円)で、講座を受講し修了した場合に支給されます。

平成30年1月1日より給付金支給要件が一部改定

給付金の支給対象者は、一定の要件を満たす雇用保険の被保険者と被保険者であった方です。被保険者であった方とは、簡単に言うと、会社をやめて専業主婦や自営になった方ですね。
 
これらの方については、離職日の翌日から受講開始までが1年以内であることという適用対象期間が設けられています。ただし、出産や育児、疾病等の理由がある場合、この期間を延長することができます。
 
平成30年1月1日には、この延長期間が引き伸ばされました。今までは最大4年だったのですが、20年まで延長可能になったのです。出産や育児を理由に会社を辞めていて、まだ退職から20年経っていないのであれば、支給対象者となるかもしれません。
 
なお、この適用対象期間を延長する場合は申請が必要です。申請書に加え、母子手帳や住民票等、延長理由を証明する書類を管轄のハローワークに提出します。

思いを行動に移そう

専業主婦歴が長いと、働きたいと思っても不安が先立ちなかなか行動に移せないものです。社会復帰を不安に思っているのであれば、第一歩としてまずは勉強から始めてみてはいかがでしょうか。
 
今回、20年まで延長が可能になったことで、制度の利用を検討してみるのもいいかもしれませんね。
 
なお、支給要件としてお伝えした条件以外にも支給要件期間なども定められていますので、まずはご自身が給付金の受給資格があるかどうかをハローワークに照会することをお勧めします。
 
 
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)認定者

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