「共働き」と「夫だけ働く」、生活の差はどのくらいあるの?

配信日: 2018.02.13 更新日: 2024.10.10

この記事は約 3 分で読めます。
「共働き」と「夫だけ働く」、生活の差はどのくらいあるの?
最近は妻も働く世帯が増えていますが、それは働きやすい環境が整ってきたからでしょうか? それとも、妻も働かないと家計が成り立たないからでしょうか? 共働き世帯と専業主婦世帯の収入や支出の違いを確認してみました。
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

今では3分の2の世帯が共働き

まずは実際にどのくらいの世帯で妻も働いているのか、国勢調査で確認してみました。下記の表は、夫が働いている世帯で、妻も働いている世帯と働いていない世帯の数および割合を載せたものです。子どものいる世帯といない世帯に分けた数値も載せておきました。
 


 
表の共働き世帯は「妻が就業者」、専業主婦世帯は「妻が非就業者」のことで、それぞれの割合は共働き世帯と専業主婦世帯の合計に対して、筆者が計算したものです。
 
夫婦のいる2035万世帯(妻の労働力状態が不詳は除く)のうち、共働き(妻も就業者)の世帯は1308万世帯で全体の64%になります。今日では3世帯のうち2世帯が共働きといえます。妻の就業に子どもの有無はあまり影響ないようですが、子どものいる世帯のほうが若干共働きの割合が高いです。
 

共働き世帯と専業主婦世帯の年収差は130万円

次に、共働き世帯と専業主婦世帯の家計状況を比べてみました。全国消費実態調査には、世帯構造別の細かな家計状況が載っていて、そのなかから専業主婦世帯(世帯主だけが働いている世帯)と共働き世帯(世帯主とその配偶者のみが働いている世帯)の、年間収入や支出内訳、貯蓄や負債等をピックアップしました。
 


 
年間収入は専業主婦世帯624万3000円に対し、共働き世帯は754万8000円で、130万円の差があります。妻(配偶者)の働き方がフルタイムの正社員とは限らないので、130万円の差が妥当かどうかわかりませんが、家計面から考えると、月々10万円程度の収入増は非常に助かります。
 
支出内訳で差が目立つのは食費や交通・通信費、教育費等です。共働き世帯で教育費が多いのは、子育てしている世帯が多いからではないでしょうか? 必要な教育費を確保するには夫の収入だけでは足りず、妻も必要に迫られて働いている世帯がかなり多そうです。食費や交通費が多いのは、仕事と家事と子育てで時間が足りず、時間節約のために費用が増えているような気がします。
 
貯蓄額と負債額では、世帯収入の多い共働き世帯のほうが、貯蓄額は少なく負債額は多くなっています。おそらく130万円の収入差以上に、教育費等の子育てに関する支出が多いからでしょう。
 
収入面だけを見れば、妻も働いたほうが当然よいです。しかし、家事や子育てのことも考えると、ベストな選択は人によって異なってきます。夫と妻で考え方の大きな違いが出ないよう、日頃からよく話し合っておきましょう。
 
Text:松浦建二 CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士


 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集