「消費税が10%に上がる前にリフォームしませんか」というチラシ知ってますか?10%になる前に考えたいリフォーム費用
配信日: 2018.09.08 更新日: 2021.02.02
身近でもリフォームした話を聞きます。良い機会なので、リフォームについて考えてみます。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
10%回避のためには、増税までに引き渡しが必要
2019年10月1日から消費税率が10%に増税されます。前日の9月30日までにリフォームの契約をすれば良いのでしょう? と思いがちですが、これでは間に合いません。税率8%を適用するためには、9月30日までにリフォームの引き渡しが完了していることが必要なのです。
経過措置として、リフォームの引き渡しが10月1日以降になっても、2019年3月31日までに契約を締結していれば税率は8%が適用されます。
ひとくちにリフォームといっても、規模は様々です。築年数が経てば、給湯器は交換が必要になります。水回りの劣化が進んでいるはずなので、このタイミングで浴室や洗面所全般のリフォームに踏み切る方も多いです。また、退職金でキッチンをリフォームした話もよく聞きます。大規模なリフォームとなれば、工期も長くなります。
最近は人手不足で工事が希望通りのスケジュールで進まないことも多いようです。引き渡し時期の打ち合せは入念にしておく必要がありそうです。
リフォーム費用は膨れがち
Eさん(70歳代女性)は、昨夏マンションのリフォームをされました。約20年前に中古物件を購入され、いつかは和室をフローリングにしたいと思っていました。当初は床の工事だけを予定していましたが、見渡すと壁紙も傷んでいます。ついでに……と思うのは世の常です。結局、かなり大規模な工事になってしまいました。
2LDKなので、日頃は一人暮らしに十分な広さですが、工事期間中は家具を移動しますのでスペースの確保が大変です。業者さんから「最後の2日間は家を空けてください」といわれたそうです。夏休み期間で、都内のホテルは混み混み。高級ホテルしか空室はない状態です。
その話を友人にしたら「いっそのこと、温泉に行こう」となり、バス旅行に行ってきたそうです。
そうでなくても予算をオーバーしていたのに、想定外の宿泊費。旅館のお料理を味わう気持ちにはなれなかったと話していました。工事予定を打ち合わせる際には、住みながらリフォームが可能かどうかの確認も十分にしておいた方が良さそうです。
Eさんの場合は念願のフローリング工事でしたが、家を維持管理する上で修繕の時期は必ずやってきます。一戸建てなら、外壁や屋根は足場を組む大工事になります。マンションの場合も、先に書いた給湯器や浴槽などの劣化は免れません。そのうちに……と後回しにしがちですが、家の点検をするよい機会にしてみては如何でしょうか。
省エネや耐震、バリアフリーを伴うリフォームについては、減税や助成金制度を受けることが出来る場合があります。一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会等のサイトを参考にされることをお勧めします。
http://www.j-reform.com
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士