「子供の貧困」を断ち切る 年間所得122万以下家庭に知ってほしいサービス

配信日: 2019.01.17 更新日: 2019.07.03

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「子供の貧困」を断ち切る 年間所得122万以下家庭に知ってほしいサービス
「子どもの貧困」という言葉をご存知でしょうか。日本には、子どもの貧困問題が存在します。貧困状態の家庭では、子どもに教育を受けさせたい、様々な経験をさせてあげたい、そう願ってもなかなか実現できないのが現実です。
 
全国では、そのような子どもを対象としたボランティアサービスがありますので、紹介したいと思います。
 
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

日本の貧困は「相対的貧困」

「貧困」と聞くと、発展途上国の貧しい環境で暮らす人々を想像するかもしれませんが、日本の「貧困」はそうではありません。
 
食べるものや住む場所がない最低限の生活ができない状態を「絶対的貧困」と言うのに対し、日本の貧困は、周囲の家庭と比べて所得が低い「相対的貧困」状態であることを指します。
 
OECD(経済協力開発機構)では、相対的貧困のボーダーラインを定義しています。日本の場合、そのボーダーラインは、年間所得122万円です。子どもの貧困率とは、18歳未満でこのボーダーラインを下回る人の割合を言い、厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、7人に1人の割合で存在します。
 

進学に対する後ろ向きな貧困状況下の子ども達の考え

収入が少ない家庭で育った子ども達は、進学という選択肢を持っていないことがあります。卒業したら働くのが当たり前、何のために勉強をするのか、何のために大学に行くのか、その目的すら理解していないのです。
 
また、本当は進学したいけれど、家にお金がないから諦めたり、夢を持っているけれど、その夢を親に話すと親に負担がかかり困るかもしれないという思いから、自分の胸にしまっておいたりする子もいます。
 
子どもが夢を持てない環境であってはいけません。子どもたちが自信を持って自立できる社会を目指し、活動している団体は全国にあります。
 
・チャンス・フォー・チルドレン
活動地域:近畿地方
対象者:生活保護世帯の小学生〜高校生
活動内容:提携の教育機関で塾・習い事・スポーツができる。チャンス・フォー・チルドレンが提供しているクーポンを利用することで、教育機関のサービスを受講できる。その他、大学生ボランティアによる進路学習相談など
 
・キッズドア
活動地域:東京都内、仙台等
対象者:ひとり親家庭等経済的理由で塾などに通えない小学生〜高校生、16歳〜25歳の高校資格取得を目指す若者、東日本大震災被災地の子ども
活動内容:無料学習会、進路アドバイスなど
 
・ダイバーシティ工房
活動地域:千葉県市川市、江戸川区
対象者:発達障害の子、不登校・基礎学力に不安がある・勉強のやり方が分からない小学生〜高校生
活動内容:基礎学力の定着・少人数制学習塾、発達障害などの子どもに対する学習支援・生活スキル練習
 
・山科醍醐こどものひろば
活動地域:京都府の山梨醍醐地域
対象者:活動地域に住むすべての子ども達
内容:子育て相談・学習サポート・野外活動など
 
・おてらおやつクラブ
活動地域:全国
対象者:支援団体とつながりがある家族(シングルや離婚協議中などひとり親家庭中心)
活動内容:お寺にお供えされる「おそなえ」を仏様からの「お下がり」として、支援団体を通じて貧困状態にある家庭におすそわけをする。
 

貧困の連鎖を断ち切るために

様々な経験や教育機会に恵まれない子どもは、低学歴になり、大人になったときに低所得の職業にしかつけないことがあり、子どもの世帯も貧困になる「貧困の連鎖」が発生してしまうことがあります。
 
今回、ここで紹介した団体は一部です。お住いの地域にも子どもの貧困に取り組む団体があるかもしれません。一度調べてみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者
 

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