更新日: 2019.08.14 子育て

2020年4月から始まる高等教育の修学支援制度とは? 対象となる学生と支援金額をチェック!

2020年4月から始まる高等教育の修学支援制度とは? 対象となる学生と支援金額をチェック!
2020年4月から高等教育の修学支援制度が実施されます。支援内容は、授業料・入学金の減免と給付型奨学金の支給拡充の2つです。この2つの支援はセットになっていて、一緒に申し込むことが前提です。支援制度の対象者やその内容についてお伝えします。
 
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

支援対象の学校は?

支援対象となる学校は、大学、短期大学、高等専門学校(4年生、5年生)、専門学校です。それらすべての学校が対象になるわけではなく、学問の追求と実践的教育のバランスが取れた大学等が要件とされており、経営に課題のある大学などは対象外とされています。
 
具体的にどこの学校が対象になるかは、2019年9月以降に公表されます。
 

支援対象の学生は?

支援対象となる学生は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生で、2020年の在学生から対象です。高校を卒業していたとしても、2年以内であれば支援対象ですから、浪人でも2浪までなら対象となります。
 
支援を受けられる年収の目安は、下記の表のとおりです。
 

出典:文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」より
 
なお、支援対象となるかどうかは、日本学生支援機構の「進学資金シミュレーター」で確認が可能で、収入面のほか、学生本人の人物面にも求められる要件があります。学生自身が学びの意欲がある、進路意識がしっかりしていることが必要です。
 
学習意欲を確認する具体的な方法は、成績の評定平均が3.5以上あれば、日常的な学習状況や進路指導等で確認します。しかし、3.5以下だったとしても、レポートや面談で確認が実施されますから、必ずしも成績だけでは判定されません。
 
レポートや面談では、例えば、就きたい職業のために進学したいのか、興味のある学問を勉強するために進学したいのか、進学の理由を述べます。また、それらに対する具体的な内容を述べたり、記述したりすることが求められます。
 
さらに、卒業まで継続して学ぶ意思があるかを判定するために、どのような姿勢で学びに取り組むかも意見を求められます。学生本人にしっかりとした考えがないと答えられないかもしれませんが、学びたいという強い意欲があればクリアできる可能性はあります。
 
なお、支援人数に人数制限や定員はありません。条件を満たせば、支援を受けられます。
 

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支援される金額は?

支援される授業料等の減免額と奨学金の給付金額は、世帯収入や進学先の学校の種類、自宅通学か自宅外通学かによって異なります。下記の表は、住民税非課税世帯が受けられる減免額、給付額であり、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、下記金額の2/3または1/3の金額です。
 

出典:文部科学省「授業料等減免額(上限)・給付型奨学金の支給額」より
 

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手続き方法は?

7月頃より、インターネットで独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)に申し込みます。その結果が分かるのは12月頃です。審査に通れば、4月に進学先の学校で授業料と入学金の減免手続きを行います。奨学金は、4月か5月に振り込まれます。
 

進学後の支援継続について

支援対象となったとしても、進学後に学習意欲や成績が低いと大学等に判断された場合は、支援が打ち切りになります。例えば、修学単位が標準単位の5割以下、出席率が5割以下となると支援が打ち切りとなり、傷病などやむを得ない理由がない限り支援金の返還が求められます。
 
また、家計の収入基準についても、直近の収入状況に応じて支援額が変更になったり、支援が停止されたりすることがあります。
 

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経済的理由で学ぶ機会を失うことがない社会の実現へ

大学進学による経済的負担は家計にとって重いものです。大学進学を経済的理由で諦める学生がいることを考えると、今回の制度は、非常に大きな支援となるでしょう。
 
とはいえ、大学進学にあたっては、授業料だけでなく、施設設備維持費や教科書代等が必要です。パソコンの購入が必要な大学もあります。また、受験費用も必要です。
 
これらの費用については、別途対策が必要ではありますが、支援制度によって、1人でも多くの学びたいという思いが実現できることを願います。
 
<参照>
日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」
 
<出典>
文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」
文部科学省「授業料等減免額(上限)・給付型奨学金の支給額」
 
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ
 

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