更新日: 2019.11.04 子育て

私立高校の学費はどれくらい?支援金は我が家ももらえるの?

執筆者 : 伊達寿和

私立高校の学費はどれくらい?支援金は我が家ももらえるの?
人生の三大支出の1つに教育費があります。いくらかかるかは進路が大きなポイントになります。見積もる際の例のひとつとして、小学校から高校までは公立、大学は私立というケースが考えられます。
 
また、義務教育は中学校までですので、高校は公立だけではなく私立のケースも考えられます。私立高校を選択する場合はお金の面でどれくらい負担が変わるのでしょうか。今回は私立高校のケースについて紹介します。
 
伊達寿和

執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp

公立高校と私立高校の教育費の違い

まずは、私立高校でかかる教育費について、文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査」のデータで確認します。
 
私立高校(全日制)の年間の学習費の総額は104万168円となっています。高校に通う3年間ですと約312万円です。一方、公立高校(全日制)では45万862円で、3年間ですと約135万円です。私立高校でかかる教育費は、公立高校の約2.3倍になっています。
 
私立高校の学習費のうち、授業料や教材費など学校生活に必要な「学校教育費」は75万5101円、学習塾やスポーツ・文化活動などに使う「学校外費用」は28万5067円です。一方、公立高校では、「学校教育費」が27万5991円、「学校外費用」が17万4871円となっています。
 
学校教育費だけで比較すると私立高校は公立高校の約2.7倍になり、学校生活に必要な費用に大きな差があることがわかります。
 

学校教育費でかかっている項目

私立高校の学校教育費の内訳についても確認しておきます。
 
総額75万5101円のうち、一番大きなものは授業料で27万1835円、割合で36.0%です。次に大きいのが学校納付金等で22万8864円、割合で30.3%です。3番目は通学関係費で10万9048円、割合で14.4%です。そのほか、修学旅行・遠足・見学費などと続きます。
 
授業料については、公立高校では2万3368円となっており大きな違いがあります。また、学校納付金等には私立学校での施設設備資金や、後援会費、冷暖房費などが含まれています。施設設備費は、私立学校で大きくかかる費用の1つです。
 
通学関係費については、公立高校(7万9157円)より約3万円多くなっています。私立高校の場合は、通学先の場所によって通学定期代などが大きくかかることも考えておくとよいでしょう。
 

高等学校等就学支援金制度を知っておこう

高校生等への就学支援の制度として、高等学校等就学支援金について知っておきましょう。
 
これは所得要件をみたす世帯の生徒に対して支給されます。所得要件としては、平成30年7月支給分以降で、市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が50万7000円未満です。両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人と中学生1人の子どもがいるモデル世帯で、年収約910万円未満です。
 
支援金の限度額は年間11万8800円です。私立高校の場合は所得によって加算支給があり、1.5倍~2.5倍の金額となります。モデル世帯で考えると、年収270万円未満で2.5倍の29万7000円、270万円から350万円未満で2倍の23万7600円、350万円から590万円未満で1.5倍の17万8200円となります。
 
さらに「私立高等学校授業料の実質無償化」にともない、2020年4月から上限額が引き上げられます。モデル世帯で年収590万円未満では、私立高校の平均授業料を勘案した水準に引き上げられることが決まっています。
 
就学支援金は、生徒本人・保護者が受け取るのではなく、学校に支払われ授業料に充てられます。ただし、支援金は後払いであり、どのように授業料に充てられるのか、授業料をいつから減額するのかは学校により異なります。
 
一時的に授業料を全額負担する必要がある場合もあります。猶予の制度があるかどうかも含めて、学校に確認するとよいでしょう。また、都道府県でも独自の授業料支援を行う場合がありますので、各自治体や学校のホームページ等で調べておくとよいでしょう。
 

高校の教育費は私立を想定するのも1つの考え方

私立高校では公立高校に比べて授業料をはじめとした負担が大きくなります。就学支援金などの制度について事前に調べて、制度を積極的に利用しましょう。
 
就学支援金制度については所得要件があるため、全ての家庭が対象となるわけではありません。これから高校の教育費について考えるご家庭では、私立高校のケースを想定して教育資金を準備するのも1つの考え方でしょう。
 
出典
文部科学省「結果の概要-平成28年度子供の学習費調査」
文部科学省「高校生等への就学支援」
文部科学省「2020年4月からの『私立高等学校授業料の実質無償化』リーフレット」
 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員


 

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