最終更新日:2019.08.20 公開日:2018.07.30
家計

年収目安910万円未満の世帯が対象!?高校無償化されてから教育費負担が増加している?

今年(2018年)の7月から、高校の就学支援金の判定方法が変更となっています。これは、2018年以後の個人住民税所得割額の割合が、指定都市のみ変更されるためです。
 
ところで、2010年に公立高校無償化として始まった授業料不徴収制度・高等学校等就学支援金制度ですが、現在では高等学校等就学支援金制度として、年収目安910万円未満の世帯が対象となっています。
 
そこで今回は、高校の教育費に注目し、教育費の推移を確認することで、今後のライフプランに役立てられればと考えております。
 
藤孝憲

執筆者:

執筆者:藤孝憲(とう たかのり)

CFP(R)認定者・VBAエキスパート(Excel)

主に小さいお子様をお持ちのご家庭からのご依頼が多く、教育費や住宅費、退職後の生活資金など長期的に考えた家計のアドバイスをしています。ご相談者は幅広く、上場企業だけでなく中小企業にお勤めの方や自営業者、公務員の方などで、年収も300万円から1,000万円までいらっしゃいます。住宅ローンや保険選び、将来の資金計画などでお悩みでしたらお気軽にお問い合わせください。

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藤孝憲

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執筆者:藤孝憲(とう たかのり)

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高等学校の授業料は無料?現在の就学支援制度を確認する

2010年4月1日より、公立高校は授業料無償化(不徴収)、私立高校は高等学校等就学支援金として一定額(11万8800円)を助成することになり、ライフプランニングする上でも余裕が生まれ、家計のやり繰りがしやすくなった記憶があります。
 
この制度には所得制限がなく、私立高校に通う所得が一定以下の世帯はさらに、一定額(11万8800円)の1.5~2倍の金額が助成されました。
 
その後、法律が改正され、2014年度入学から公立高校の不徴収制度が廃止、公立高校でも就学支援金の対象となりました。現在では公立高校・私立高校ともに月額9900円(全日制)が支給され、所得によっては就学支援金の加算が行われますが、年収目安910万円以上の世帯は支給の対象外となっています。
 
2018年7月1日からは、税源移譲に対応するため、「市町村民税所得割の額」で判定していた方法から「道府県民税所得割の額と市町村民税所得割の額とを合算した額」へと変更しています。
 
ちなみに、平成28年度の公立高校(全日制)の授業料は年額11万8800円(月額9900円)。入学時の入学料のほかに、PTA会費、後援会費、生徒会費、修学旅行積立金、教材費などがかかります。なお、就学支援金は直接、高校に支給されます。
 

所得制限はあるものの、教育費負担は減ったのでは?

2014年度入学から年収目安910万円以上の世帯は支給の対象外になりましたが、「家計調査」によると年収900万円以上の勤労者世帯はおよそ2割ですので、残り8割の世帯の教育費負担が減っていると考えられます。そこで学習費の推移グラフを作成してみました。
 



文科省「平成28年度子どもの学習費調査」より筆者作成
 
2010年度は授業料不徴収制度の導入時期で、学校教育費と学校外活動費を合わせた学習費総額の減少がはっきりと見て取れますが、意外なことに、その後、公立高校、私立高校ともに学習費総額は上昇し、2016年度には高校無償化以前の水準に近くなっています。
 
念のため、消費者物価指数で物価の上昇を確認しましたが、1999年以降は指数全体の伸び率よりも教育費の伸び率が大きく、2010年に減少したものの再び指数全体を超える伸び率を示していることがわかります。
 

総務省「消費者物価指数」より筆者作成
 

学習費総額が増えても、コントロールできる学校外活動費の割合が高ければ・・・

前回の記事(「教育費にはコントロールできる費用とできない費用がある」)で学習費にはコントロールできない「学校教育費」(授業料や制服代など)とコントロールできる「学校外活動費」(塾・習い事など)があることを紹介しました。
 
「学校外活動費」の割合が高ければ、家計に余裕があり、学校以外でご家庭の方針に沿った教育も行われていることを意味します。そのため学習費総額が増えていても、学校外活動費の割合が増えていれば教育費をコントロールしやすくなっていると言えます。どのような状況になっているか、「子どもの学習費調査」で確認してみましょう。
 
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文科省「平成28年度子どもの学習費調査」より筆者作成
 
学校外活動費の割合を見ると、若干上昇しているようですが、各ご家庭でコントロールのしやすさを実感できるほどではないでしょう。金額ベースですと、月数千円程度増えるかどうかの差しかありません。
 

授業料以外の費用負担が重いと感じていませんか?

資料として掲載していませんが、学校教育費の内訳を2010年度と2016年度で比較してみると、授業料をはじめ、修学旅行費、生徒会費、その他学校納付金、教科書費・教科書以外の図書費、通学費、通学用品費は、公立・私立ともに増加しています。学校外活動費では学習塾費の増加が目立ちます。
 
これらを踏まえますと、授業料の負担はなくなったものの、「色々お金がかかるなぁ」と感じている人が多いのではないでしょうか。
 
高等学校等就学支援金制度は家計への経済的負担を軽減させることが目的ですが、「子どもの学習費調査」の結果を見る限り、負担はあまり軽くなっていないどころか、収入が上がっていなければ負担は重くなっていると言えます。
 
これから教育資金を準備しようとしているご家庭は「高校無償化」という言葉に安心せず、中長期的な資金計画を立て、直前になって困らないよう準備しておかなければなりません。
 
Text:藤 孝憲(とう たかのり)
CFPR認定者・VBAエキスパート(Excel)

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