新型コロナ詐欺で被害に遭わないために注意したいこと
配信日: 2020.05.29
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
詐欺はどういう時にどういう人を狙うの?
まず、詐欺は世間のさまざまな出来事に便乗してやってきます。
例えば東日本大震災等の地震や台風被害等の災害系に関する詐欺や、昨年の元号改元により金融機関の名をかたってクレジットカードやキャッシュカードが使えなくなる、と言ってカードをだまし取るような詐欺があります。このように、世間の変化や不安につけ込んで起こる詐欺は「便乗詐欺」と呼ばれます。
令和2年度補正予算で、国民一律10万円の給付金が決定し、支給が始まりました。この「一律」と言うのは、「全員」ということですので、国民全員が詐欺のターゲットとなります。
具体的な詐欺の手口は
では、実際にどのような事例があったのか、独立行政法人国民センターのホームページに掲載されている事例で見ていきましょう。
1.市役所などの公的機関や携帯電話会社などになりすまして、新型コロナウイルスを口実に、「助成金があるので個人情報や口座情報を教えてほしい」等と個人情報や口座情報を詐取しようとする(※1)
2.新型コロナウイルスを口実に、市役所などの行政機関職員をかたった電話や、「行政から委託を受けている」等として電話をかけ、自宅を訪問しようとする(※2)
3.マスクの品薄が続いている状況に便乗して「マスクが購入できる」「マスクが買えるサイトがある」というSNSの書き込みや広告で消費者の関心をひき、クレジットカード番号等を詐取する目的と思われる不審な通販サイトへ誘導しようとする(※3)
それぞれの対処法は
実際にあなた自身にこのような連絡があった場合、どのように対処するのが良いのでしょうか。
1番目と2番目の事例ですと、まず、役所が手続きの代行はしませんし、身元の確認をする、給付金の申請をするように求めることはありません。また、委託を受けているのであれば、委託したという行政機関名を確認し、業者の話が事実かどうか、確認する必要があります。
3番目ですが、フィッシングサイトの恐れもあり、氏名や住所、電話番号などの個人情報やクレジットカード番号を入力すると、不正に取得される可能性がありますので、リンク先の通販サイトの住所、電話番号表示や注文手続きに不審な点はないかも確認する必要があります。
こんな時だからこそいつも以上に気を付けて
今までのような日常生活が過ごせず、精神的、肉体的、経済的に疲弊している人がたくさんいます。気持ちに余裕がなくなり、平時であればすぐに分かることでも、このような時期には冷静に判断できないこともあるかもしれません。
そういう気持ちにつけ込んで、優しい言葉や寄り添った言い方で近づいてくる詐欺グループがいるのも事実です。見ず知らずの人と対応する時は、ひと呼吸入れて考えるようにしましょう。
そして、怪しいなと感じた場合、特にお金の話が出てきたら1人で悩まず、警察や消費者相談センター等にすぐに相談するようにしましょう。
また、銀行口座のキャッシュカードを渡してしまった、暗証番号を伝えてしまった場合や、クレジットカードの暗証番号を伝えてしまった場合は、金融機関やクレジットカード会社に連絡することも忘れないでください。
(出典)
(※1)独立行政法人国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報第5弾)より
(※2)独立行政法人国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報第3弾)より
(※3)独立行政法人国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報第6弾)より
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表