更新日: 2020.06.26 その他暮らし

10万円給付されたけれど…国の借金比率ははどうなる?

執筆者 : 柴沼直美

10万円給付されたけれど…国の借金比率ははどうなる?
今回のコロナ禍で、特別定額給付金について申請方法やタイミング、書類が届いた、届かないなど、いろいろな記事を目にします。今回は、具体的な申請についてではなく、給付金が支給されたあとのことについて考えてみたいと思います。

柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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お母さんにはもう貯金はないんだ

政府が閣議決定した2020年度の補正予算案と新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策。もちろんこれは過去最大規模です。
 
当然、今回のコロナショックは史上経験したことのない異常事態ですから、まずは何を差し置いても経済の立て直しを優先しなければなりません。ただ、給付を受けるわれわれとしてはこの後の影響も考えなければなりません。
 
債券の格付け機関フィッチでは、全国民1人一律10万円の現金給付を柱とする補正予算案を反映した事業規模117兆円に達する緊急経済対策のために、財政赤字(国の借金)は膨らむ一方で経済成長は減速することから、国の借金比率は2019年末の230%から240%にまで上昇すると予想しています。
 
一般家計で考えれば、年収が500万円の家庭で借金が1150万円から1200万円に増えることになります。ちなみに米国も上昇することは避けられませんが、米国は直近のデータでの借金比率は108%です。

お母さんが、必死でひねり出してくれた子どもの生活費

国が親で、われわれが子どもだとすると、親はもう借金しか残っていない中から、また新たにローンで子どもに生活費を用意してくれたというイメージです。
 
同じように考えれば、子どもはやがて、その借金を親に代わって返済しなければなりません。ましてや「お母さん、またお金を貸して」といってもおかわりは期待できません。
 
それを踏まえて、特別定額給付金は将来のためになるように使い方を考える必要があります。10万円が将来、12万円にも15万円にもなるような価値あることに投資するのが理想です。
 
これは何も資産運用という意味に限ったものではなく、今急速に広がりつつあるリモートでのコミュニティや働き方の体制を整えるために、自宅でのWi-Fi環境を見直すのもいいと思います。
 
契約時から何年も放置していれば、その間にもっとコストパフォーマンスのいいWi-Fiを提供してくれるサービスも増えています。
 
パソコンの買い替え、周辺機器についても見直してみましょう。時間があれば一度スマホの中身を見て、使っていないアプリを削除して容量を増やしたり、バージョンアップしたり便利なアプリを入れたりするのもいいと思います。
 
スマホの機種変更なども有効です。「わからないから」「パソコンは苦手」と言っていると、社会に取り残されてしまいます。積極的に講習会などに参加して、なじんでいきましょう。
 
リモートワークならば成果物だけで判断されますから、年齢は関係ありません。何歳になっても少しでも収入の足しにできます。
 
私たちの親は、借金まみれの中、私たち子どもに生活費を工面してくれました。そして借金を返すのは、私たち子どもです。生活力をたくましくさせる責任があります。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者


 

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