更新日: 2020.07.24 その他暮らし
コロナ禍で結婚式もオンラインで?メリット・デメリットと注意すべき点は
しかし、ウィズコロナでの新しい生活様式の中で、新しい形の結婚式、つまりオンライン結婚式という手段も今後は検討せざるを得ない状況であることも事実です。
オンライン結婚式のメリットとデメリットを踏まえた上で、後悔しないオンライン結婚式をするにはどうすればよいのか、考えてみましょう。
執筆者:岩永真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/
オンライン結婚式のメリット
コロナ禍で始まったオンライン結婚式は、まだ世間では一般的ではありません。すでに行った人の中には、仕方なく選択したという人もいるかもしれませんが、オンラインならではのメリットもあります。今一度確認してみましょう。
1. 経済的メリット
例えば、東京都23区内で60名規模の結婚披露宴を行う場合、一般的には300万円程度はかかります。
会場や料理のグレードにもよりますが、少なくとも230万円、上を見ればきりがありませんが400万円以上になることもあります。招待人数が増えれば増えるほど、広い会場や料理数が必要ですので、コストも増加します。
一方、オンライン結婚式だと、食事などの提供はできませんので、その分は当然安価になります。業者にもよりますが、衣装レンタル、ムービー配信、記録DVDなどが含まれて10万~15万円程度で可能なところもあります。
招待人数が増えても、オンラインツールの最大設定人数(100名など)までは、料金的には通常の結婚式を開いて招待するような大きな負担にはならない可能性があります。
2. 時間的なメリット
結婚式や披露宴は準備にそれなりの時間を要します。人気会場であれば、少なくとも半年前から予約が必要なことも珍しくありません。
一方、オンライン結婚式だと、業者によっては3日前~3週間前までなど、計画後にすぐに実行できることもあります。来賓者も、参加するための移動時間や移動費用が発生しません。また、気軽な服装で参加できる設定にしておけば、服装やアクセサリーなどを用意する手間と時間も省けます。
3. 会場へ来るのが困難な人も招待できるメリット
結婚式を行う側にも、参加する側にもメリットがあります。海外に住んでいる人、妊娠中の人や高齢者など、会場に来るのが難しい人なども招待することが可能です。
4. 密を避けられる安心安全のメリット
人との物理的な接触がないため、来賓者は安心して安全な環境から参加できます。主催者も、密を避けるために通常より広い部屋を借りる、あるいは換気のよい窓がある会場を探すなどの手間や費用が省けます。
オンライン結婚式のデメリット
では、どんなデメリットがあるのでしょうか。
1. 来賓客と直接会うことができない
実際に会って祝辞をいただく、久しぶりに旧交を温める、招待客同士の再会の機会になる、直接写真を撮る、などは残念ながらできません。
2. ご祝儀を集めにくい
披露宴などで食事が提供されるわけではなく、招待する側に費用がかかっていないため、招待客からのご祝儀が通常より少なくなる可能性はあります。
3. 来賓客へ食事などを提供しにくい
祝宴を催して、食事をふるまうことが一般的な披露宴ですが、オンラインでは提供しないことが主流です。
4. 企画している業者がまだ少ない
オンライン結婚式を企画運営している業者は、リアル結婚式に比べて圧倒的に少なく、実績も少ないことがほとんどです。
5. 料金プランがはっきりしない業者もいる
業者が少ないため、業者間の競争も少ない可能性があります。詳しくは相談時に、など料金設定がオンラインでは明確ではない場合もあります。
メリットのほうが多くなるために注意すべきこと
メリットを享受しつつ、デメリットを克服できれば、今後オンライン結婚式は世の中の選択肢の一つとして、さらに発展していくことでしょう。そのためには、賢く利用していくことが大切です。デメリットの解決策として考えられるのは以下のとおりです。
相談時には、サービスやプランの内容と料金を一つひとつ丁寧に確認していきましょう。その後のトラブルを避けるためにも、明確な説明ができない業者は利用しないほうがよいかもしれません。
結婚式や披露宴はせずに入籍のみしようと思っている人でも、このようにポイントを抑えて費用も節約できるのであれば、結婚式をやってもよいと考え直す人もいるかもしれません。
今後オンライン結婚式を扱う業者も、ウィズコロナでさまざまな工夫がされ、よりユーザー側が便利に利用できるようになる可能性もあるかもしれません。
ウィズコロナだから仕方なくオンライン結婚式、ではなく、オンライン結婚式がよいと選択するカップルが今後現れる日が来るのもそう遠い先ではないかもしれません。
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士