更新日: 2020.08.25 子育て

カードや電子マネーしか知らない? 現金を知らない子どもたちへのお金の教育

執筆者 : 下中英恵

カードや電子マネーしか知らない? 現金を知らない子どもたちへのお金の教育
キャッシュレス・ポイント還元事業や新型コロナウイルス感染防止の観点から、決済のキャッシュレス化が進み、クレジットカードや電子マネーで買い物をするシーンが増えました。
 
現在の子どもたちは、「現金」を目にする機会が減り、もしかすると「カードがあればなんでも買える」という感覚を持っているかもしれません。今回はキャッシュレス時代だからこそ、子どもたちがお金の価値を勉強する重要性や、その方法をご紹介します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

電子マネーを利用してみる

子どもたちが将来大人になったときに、お金の管理ややりくりで困ることがないよう、小さいうちからしっかりとお金の知識を身に付けていくことは大切です。「ショッピング依存症」や「カード破産」なんてことにならないように、クレジットカードの仕組みを教えてあげるのも、金融教育の1つですね。
 
子どもが小学生くらいになり、実際に電子マネーを使わせてみることは、金融リテラシーを高める良い方法です。自分で現金を使って、カードにチャージをしてみると、「カードにはお金が入っている」という感覚を身に付けることができます。
 
初めて使う電子マネーとして、首都圏の場合、交通系の「小児用PASMO」や「こども用My Suica」はいかがでしょうか。これらのカードは、電車やバスに乗る場合、記名人である子ども本人が小児運賃で利用できるので、塾や習い事に交通機関を利用する際には大変便利です。
 
さらに、「小児用PASMO」や「こども用My Suica」は、親がチャージ残額をメールで確認できたり、履歴表示をすることで、何にどのくらいお金を使ったのかをチェックすることが可能です。安心安全に、親と子どもが一緒にお金の使い方を学ぶことができます。

クレジットカードの仕組みを理解する

次は、クレジットカードについてです。現在は、複数枚クレジットカードを持ち歩いている大人も多く、一般的に広く普及しています。しかし、クレジットカードを初めて利用するときには、覚えておきたい多くの注意点があります。
 
まず子どもたちに教えたいのは、「後から支払いの請求がまとめてくること」「利用には上限金額が決められていること」「暗証番号の管理を徹底すること」という3点です。
 
「クレジットカードさえあれば、どんどん買い物ができる」という勘違いをしないためにも、後からお金をまとめて支払わなければならないことや、自分が持っているお金以上のものは購入できないという仕組みを説明しましょう。
 
さらに、クレジットカードを紛失してしまったり、暗証番号を安易に他人に教えてしまったりすると、悪用されてしまうリスクも教えなければなりません。
 
親がクレジットカードの暗証番号を子どもの誕生日や、結婚記念日などに設定している場合、ひょんなことから子どもが他人に話してしまうことも考えられます。親自身も、暗証番号を分かりやすいものに設定しないようにする、子どもには安易に教えない、ということに気を付けましょう。

子どもにはいつからカードを持たせる?

先ほどご紹介した、「小児用PASMO」や「こども用My Suica」などの交通系電子マネーは、小学生になったら使用することができます。一方、クレジットカードは原則18歳になってからです。
 
初めてクレジットカードを使う場合は、親の持っているクレジットカードの「家族カード」を渡し、子どもの利用履歴をチェックしてあげるのもオススメです。無駄な買い物はしていないか、金額は高すぎないかなど、実践で学んでいきましょう。
 
いかがだったでしょうか。私たちの生活において、電子マネーやクレジットカードは決済サービスの必需品となりつつあります。これからますます加速するキャッシュレス化の中で、お金の管理に失敗しないように子どもたちを見守ってあげるのは、大切なお金の教育の1つですね。
 
今回ご紹介した内容を参考にしながら、ぜひ子どもたちと一緒に、電子マネーやクレジットカードの安心安全な使い方について考えてみましょう。
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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