スマートフォンの分割払いは借金と同じ!? 支払い滞納で起こる3つの問題
配信日: 2020.09.30
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
スマホの分割払いはクレジット契約(※1)
スマホの機種の中には、10万円を超えるものも存在します。一括で支払うより、その場の負担が軽く2年程度の期間にわたって毎月少しずつ返していける「分割払い」を選ぶ方も多いです。
あまり意識せず契約しているかもしれませんが、スマホの分割払いは、一緒に引き落とされている毎月の利用料金とは別契約で「クレジット契約」になっています。
クレジットカードで分割払いを選ぶと、その回数に応じて手数料がかかるのと同じように、スマホの分割払いにしたときも手数料(※2)がかかることがあります。
そして、クレジットカードで返済が滞ると「信用情報」に傷が付いて他社でお金を借りられなくなるのと同様、スマホの分割払いで支払いができなくなったときもさまざまな問題が発生します。
スマホ代の支払い、滞納すると何が起こる?
■住宅ローン、カードローン、クレジットカードなどの審査に落ちる
金融機関では、ローンやクレジットカードを申し込んだ人の過去の返済歴、他社の申込状況、借入残高などを「信用情報機関」というところを通じて共有しています。
スマホの分割払いに関する情報もこれらと同じように共有されるため、滞納した記録があると、ローンなどの審査に落ちる可能性が高くなります。
審査に通過できなければ、住宅ローンを組めない、カードローンを借りられない、クレジットカードを作れない、次にスマホを買いたいと思ったときに分割にできないなど不便が生じます。
■遅延損害金がかかる(※3)
支払いが指定の期日に間に合わない場合、遅延損害金や延滞利息というペナルティのようなものが発生し、支払うべき金額が増えます。
この金額は時間がたてばたつほど増えていくため、早く対応しないと余計に支払いが難しくなってしまいます。ずっと支払わないままだと、携帯会社に法的手段を取られる可能性も。
■回線が強制解約される(※4)
携帯料金の支払いができなくなってから数カ月程度で、回線の契約が強制的に解除されます。電話機能が使えなくなり、その他の機能もWi-Fi環境のあるところ以外では使えなくなります。
支払い滞納を防ぐためにできること
携帯料金を滞納することで発生するさまざまな問題を回避するためには、どうすればよいのでしょうか。
■出費を抑える
スマホ代の分、どこかの出費を削って工面する方法です。節約はもちろんですが、携帯会社や公共料金、税金などは「収入が少なくてどうしても支払いが厳しい」ということを相談すれば、支払期限の延長や分割払いなどに応じてくれることもあります。料金が高いと思ったら、早めに格安スマホに乗り換えておくのもひとつです。
■お金を稼ぐ
日払いのアルバイトを入れたり、身の回りのものをフリマアプリに出品したり、できるだけ早く手元にお金が入る形でスマホ代の分を稼いで乗り切る方法です。
■お金を借りる
親や頼れる友人に一時的にお金を借りて乗り切る方もいます。難しい場合は、延滞が発生してしまう前にカードローンを申し込んでおいて、いつでもお金を借りられる状態にしておくのも対策になります。ただ、支払いに困ってお金を借りると、今度はその返済に困ってしまう可能性もありますので慎重に。最後の手段と思っておきましょう。
延滞が発生しないようにするだけでなく、もし発生してしまったらできるだけ早く対処することが大切です。時間の経過とともに、どんどん状況が悪化していきます。
まとめ:スマホ代の支払い遅延は要注意!分割払いは慎重に選択を
分割払いを使えば、高額な機種でも手元の資金が少ない状態で購入できます。ただ、手数料や支払えないときのリスクなどを知ったうえで利用したいところです。
滞納すると5年程度は記録が残り(※5)、ローンを組みたいときに苦労することになります。できれば一括購入するか負担の少ない安い機種を選ぶなど、支払いに困りにくい環境を作っておくのがおすすめです。
(※1)
CIC「スマートフォンを分割払いで購入」
UQ mobile「分割払い購入(割賦契約)について」
一般社団法人日本クレジット協会「携帯電話の分割払いはクレジット契約です」
(※2)LINE MOBILE「分割払い」
(※3)SoftBank「支払期限を過ぎた場合、延滞利息はかかりますか?」
(※4)SoftBank「どれくらい料金を滞納したら解約になりますか?」
(※5)CIC「CICが保有する信用情報」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表