更新日: 2021.12.27 年収
私立高校の就学支援金、両親の年収目安は? 在学中でも申請は可能?
本記事では、実質無償化の制度の概要、そして年収の目安について細かく解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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制度の改正によってどのように変わった?
2020年の4月の改正により、年収ごとの私立高校生に対する支援額が引き上げられた点にまず注目しましょう。
改正前では、世帯年収が270万円未満の場合の支援額は29万7000円、350万円未満の場合は23万7600円、590万円未満の場合は17万8200円となっていましたが、改正後の場合は590万円未満の場合、一律39万6000円が支援されることとなりました。
ただし、これは私立高校(全日制)の場合であり、通信制の私立高校の場合は、29万7000円となっていますので注意が必要です。
また、ここでいう世帯年収のモデルケースは、両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合を想定していますので、家族構成や共働きかによって年収の目安が異なることも覚えておきましょう。
世帯年収の判断基準
私立学校の就学支援金は、日本国内に住んでいる方で、以下の判定基準を満たした方が対象となります。そして判定基準は以下のとおりです。
市町村民税の課税標準額×6% - 市町村民税の調整控除の額<15万4500円
この計算の際、政令指定都市の場合は、「調整控除の額」に4分の3を乗じて計算する必要があります。以下に、家族構成や共働きもしくは片働きの場合の年収の目安を記載しておきますので、参考にしてください。
(出典:文部科学省「高等学校等就学支援金」(※1))
入学時だけでなく在学中でも申請は可能
この就学支援制度は、入学時だけでなく、在学中であっても申請できます。新入生の場合は4月に学校から案内がありますが、それ以外に7月頃にも案内がありますので、その際に申請を行ってください。
申請の際に必要となる資料や、支援金の支給期間については以下のとおりです。
●2021(令和3)年7月頃に申請する場合:2020(令和2)年1月1日~2020(令2年)12月31日の収入に対する課税証明書が必要。支給期間は、2021(令和3)年7月~2022(令和4)年6月
●2022(令和4)年7月頃に申請する場合:2021(令和3年)1月1日~2021(令和3年)12月31日の収入に対する課税証明書が必要。支給期間は、2022(令和4年)7月~2023(令和5年)6月
ちなみに、支給されるのは申請した月からとなります。
支給期間は原則36月
就学支援金が支給される期間は原則として36月です。定時制や通信制の課程については原則48月まで支給されます。ただし、高等学校などを中途退学した人が、再び私立高等学校等で学び直す場合などにおいては、一定の条件のもとで就学支援金相当の支援が行われます。
一定の条件には以下のようなものがあります。
●高等学校等を卒業または修了していないこと
●高等学校等を中途退学し、現在籍校に転入学・編入学・再入学したこと
●高等学校等の在学期間が通算して36月(通信制および定時制の場合は48月)を超えていること
●就学支援金と同様の所得制限を満たすこと、などです。
ただし、その際の支援限度額は、「市町村民税の課税標準額×6% - 市町村民税の調整控除の額」が15万4500円未満の場合は月額2万4750円、30万4200円未満の場合は月額9900円が上限となっていますので注意が必要です。
(出典:東京都「高等学校等学び直し支援金とは」(※2))
まとめ
高校の就学支援金には、本稿で紹介した私立高校に対する支援金以外にも、公立高校に進学する場合でも要件にあてはまれば支給されます。公立高校に対する支援額は年収が約910万円未満の家庭であれば、一律11万8800円となっています。
また、就学支援金とは別に、低所得世帯の授業料以外の教育費(教科書代や教材費など)を支援する、返済不要の「奨学給付金」なども用意されていますので、お住まいの自治体のホームページなどで情報収集を行っておきましょう。
住民税の計算がややこしく、自分があてはまるのかどうかが分からない場合は「マイナポータル」を利用することで簡単に確認できます。マイナンバーカードを作成ししているのであれば、それを活用し確認してみましょう。
出典
(※1)文部科学省「高等学校等就学支援金」
(※2)東京都生活文化局「高等学校等学び直し支援金とは」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員