更新日: 2024.10.10 その他家計
「肉はささみしか食べない」と言う健康志向の夫。家計にはありがたいですが、栄養面での問題はないですか?
なかでも「ささみ」は多くのスーパーで購入可能で、ヘルシーなイメージからダイエットや筋トレをする人にも人気となっています。
今回は、肉をささみに限定した場合の節約効果や、栄養面の課題について調べてみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
ささみの特徴と含まれる栄養素
鶏のささみは、むね肉(大胸筋)の近くに左右1本ずつある小胸筋のことです。形がささの葉に似ていることからささみの名前がつき、少々白っぽい色で、むね肉に比べると少量しか取れません。
文部科学省の「食品成分データベース」によれば、ささみの脂質は100グラムあたり1.1グラムで、牛肩肉(和牛、赤身肉)の12.2グラム、豚肩肉(赤身肉)の3.8グラムと比較して非常に少ない数字です。
その一方で、たんぱく質は100グラムあたり24.6グラム(牛肩肉は20.2グラム、豚肩肉は20.9グラム)と豊富で、ダイエットや筋トレをしている方向きの食品としても知られています。
ほかにも、ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸など)、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類、ビタミンEが含まれています。
ささみは加熱しすぎるとむね肉同様、パサつくことがあります。一気に高い温度で加熱するのではなく、徐々に加熱していくと柔らかい食感をたもてるでしょう。脂質が少ないためくせが少なく、あっさりとしていることから、和食から洋食まで料理を選ばず幅広くアレンジ可能です。
ささみだけを摂取した場合、不足する栄養素は?
ささみは、牛肉や豚肉などに比べて「ビタミンB12」や「鉄分」などの栄養素が不足しています。
ビタミンB12は、赤血球の生成や神経細胞の維持に必要不可欠であり、不足すると貧血や神経障害などの症状を引き起こす可能性がある栄養素です。鉄分は全身に酸素を運び、エネルギー代謝に重要な役割を果たしており、不足すると、貧血や倦怠(けんたい)感などの症状が現れやすくなります。
ビタミンB12や鉄分を補うために、できればささみだけではなく、牛肉や豚肉、レバーなどの肉類も摂取することをおすすめします。魚介類、卵、乳製品なども合わせて摂取するよう心がけ、栄養不足にならないようにしましょう。
また、脂質や食物繊維もささみに不足する栄養素です。脂質はカロリー面で敵視されがちな栄養素ですが、適度な脂質は体に必要です。良質な脂質のためには青魚やナッツ類など、食物繊維のためには野菜やきのこ類、海藻、果物などもバランスよく摂取しましょう。
ささみとほかの部位の肉との価格の違い
ささみを含む鶏肉は、牛肉や豚肉よりも価格が低いといえます。その理由は、鶏は牛や豚に比べてからだが小さく、えさの量もそのほかに比べて少なく済むためです。また、鶏は育成できる数も多いため、出荷できるまでの期間が短く済むことも関係しています。
ささみは1羽の鶏から少量しか取れない部位にもかかわらず、もも肉に比べて需要が少ないため、価格が高くなりにくいといえます。
表1
肉の種類 | 価格(100グラムあたり) |
---|---|
鶏ささみ | 105円前後 |
鶏むね肉 | 65円前後 |
鶏もも肉 | 120円前後 |
豚もも肉ブロック | 117円前後 |
牛肩ロース (アメリカ産) |
354円前後 |
※筆者作成
ささみとほかの肉との100グラムあたりの価格(2024年7月現在)を比較してみると、鶏むね肉が100グラムあたり65円前後と一番安価でした。店舗や地域によっても事情が変わりますが、一般的にはささみよりもむね肉の方が安くなる傾向があります。
ささみだけだと脂質や鉄分などが不足する可能性が高い
ささみは脂質が非常に少なく、たんぱく質が豊富な食材です。また、スーパーなどで手に入りやすく、比較的安価であることから日頃よく食べる人も多いでしょう。しかし、鉄分などは含まれる量が少ないため、ささみばかりに偏ると必要な栄養素が不足する可能性があります。
ささみはヘルシーな食材であるといえますが、栄養が不足しないためには、ささみばかりにするのではなく、牛肉や豚肉なども満遍なく摂取し、バランスのよい食生活が必要といえるでしょう。
出典
文部科学省 食品成分データベース 肉類/<鳥肉類>/にわとり/[親・副品目]/ささみ/生
文部科学省 食品成分データベース 肉類/<畜肉類>/うし/[和牛肉]/かた/赤肉/生
文部科学省 食品成分データベース 肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/かた/赤肉/生
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー