子どもが3人いてお年玉の合計金額が年々上がっています。毎年何気なくもらっていましたが、金額が多いと保護者である親の収入になり税金を取られるのでしょうか?
配信日: 2025.01.05
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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お年玉は親の収入ではない
まず、お年玉の概念と贈与について確認しましょう。
お年玉は、子どもに対して贈られた「贈与」とみなされます。したがってたとえ親が管理していたとしても、親の収入とはなりません。
次に「贈与」の税金についてですが、贈与税は、年間110万円を超える贈与に対して発生しますので、お年玉がどれだけ多くても「1人の子ども」が「年間に110万円」を超えない限り、税金はかかりません。Aさんには3人の子どもがいるとのことですが、3人分を合わせた合計額ではなく、1人ずつの金額で考えます。
親が管理する場合の注意点
お年玉の管理を“子ども任せ”にしていると使いすぎてしまう、ということを心配して親がまとめて預かるというのはよくあることです。この場合に以下の2点を注意する必要があります。
1.「子ども」のために管理されていることがはっきりしている
例えば、銀行口座に子ども名義で貯金している、あるいは教育費などに適切に使っているといったことが明確であれば問題はありません。
2.親が個人的に使わない
親がお年玉を家計の足しに流用した場合には、贈与税の対象となる可能性がありますので注意しなければなりません。
おすすめの管理方法
子どものためにいただいたお年玉ですから、将来のために有効活用し、誤解や混乱を招かないように、子ども名義の積立預貯金として学費や進学の資金として役立てるようにするといいでしょう。
未成年向けのジュニアNISAの新規投資は2023年で終了となりましたが、2024年からの新NISAは18歳以上しか利用できないため、大学までまだ10年以上あるという場合、親名義の新NISAで子どもの教育資金目的の運用を行うのもいいでしょう。もしすでにNISA口座を開設していれば、教育資金は母親名義で口座開設するなど分けておくといいですね。
また使用する場合には、習い事や教材費など子どもの成長に必要な支出に充てるのもおすすめです。
まとめ
これまで述べてきたように、お年玉は子どもに対する贈与であるため親の収入にはならず、子ども1人あたり1年間で110万円以上にならなければ、お年玉が贈与税の対象になることはなりません。
しかし、明確に「子ども」のお金として分けておくことが大切で、将来の教育費などに充てられるように積立預貯金などで管理しましょう。別口座で管理することで、家計運営全般の把握にもつながり、長期的なライフプランやお金の使い方、貯め方を工夫するきっかけにもなるかもしれません。
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者