小5の娘が「友だちがみんな私立中学を受験する。私も行きたい」と言います。成績は悪くないですが、費用が心配……私立中学はいくらかかる?
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
今すぐかかる費用は塾代
私立中学を目指すなら、学習塾に通わせることになると思われます。小学5年生では週に3〜4日の塾通い、小6になると週4〜5日になることも珍しくありません。
また、これに加えて夏期講習、冬期講習があるのはもちろん、6年生になると合宿や直前講習など特別授業も多くなります。地域や受講内容によって費用の目安は異なりますが、以下が塾費用の目安となるでしょう。
小5の年間塾代:約50〜100万円
小6の年間塾代:約80〜130万円
また、塾の授業についていくための塾や家庭教師を併用する人もいますし、塾に電車やバスで通うなら交通費がかかります。おなかがすくので、軽食費用も必要になるでしょう。
加えて、6年生では受験費用も必要です。受験料は1校あたり2〜3万円ですが、併願するのが一般的であるため10万円ほど必要と思っておくとよいでしょう。私立中学を目指すなら、受験前からすでに教育費が高いということを認識しておく必要があります。
私立中学にかかる学費は
東京都の「令和7年度 東京都内私立中学校の学費の状況について」によると、都内私立中学校181校の学費の平均は以下のとおりです。
授業料:51万4983円
入学金:26万5296円
施設費:3万2670円
その他:22万438円
初年度納付金総額:103万3387円
ただし、学校生活で必要な費用は上記費用だけではありません。通学費がかかりますし、制服代、体操着、修学旅行代、校外学習費などがかかります。これら費用は公立でもかかりますが、一般的に私立のほうが高い傾向にあります。
また、中高一貫の学校が多いため、高校も私立になるでしょう。ただし、高校では授業料無償化(上限額45万7000円)が2026年4月より全国的に実施される予定のため、中学より費用は下がります。
家計への影響は
非常にざっくりではありますが、私立中学に行くなら小学5年生から高校卒業まで8年間、毎年100万円かかると思っておくと分かりやすいです。私立大学の授業料が年間約100万円ですから、小学校5年生から大学程度の教育費がかかり続けるということになります。
一般的に教育費が最もかかるのが大学ですが、中学受験するならこの考え方は当てはまりません。これら費用を出せるのか、また、出す覚悟ができているかしっかり考えることが大切です。
そして、同時に中学受験するなら目的もしっかり持っておきましょう。「みんなが受験するから」は、私立中学を目指す目的にはならないはずです。お子さんと話し合い、家計状況を考えて決断してください。
出典
東京都 令和7年度 東京都内私立中学校の学費の状況について
執筆者 : 前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
