母が「旅館のタオル」を持ち帰り! 返却の連絡を「大丈夫だから」と止められたけど、本当に問題ない? 意外な“持ち帰りOK”のケースとは

配信日: 2025.11.29
この記事は約 4 分で読めます。
母が「旅館のタオル」を持ち帰り! 返却の連絡を「大丈夫だから」と止められたけど、本当に問題ない? 意外な“持ち帰りOK”のケースとは
旅行から帰宅した家族のカバンから宿泊先のタオルが出てきたら、「これは返さないと大変なことになるのでは」と不安になるでしょう。
 
返却のために旅館に連絡したところ「そのままお使いください」と案内されたとのことですが、タオルの“種類”によっては持ち帰り用として用意されているものもあるようです。
 
では、どのようなタオルなら持ち帰りが可能で、どのようなタオルは持ち帰り不可の備品として扱われるのでしょうか。本記事では、タオル持ち帰りのルールや法的な注意点などについて解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

タオルは持ち帰り可能な“種類”もある

実は、タオルの種類によっては、宿泊施設が持ち帰りを認めているケースがあります。
 
特に、巾着袋やビニール袋に個包装された薄手のタオル、旅館名がプリントされた手ぬぐいタイプのタオルは、持ち帰りを前提に提供されていることが多いです。
 
これらのタオルは、お客様の記念や宣伝効果を狙って配布されているため、持ち帰っても問題ありません。部屋の案内や客室内に「お持ち帰りいただけます」というメモが添えられている場合もあります。
 
一方、ビジネスホテルやシティホテルでは、タオル類は備品として扱われることが多く、基本的に持ち帰りは不可です。これらの施設では、タオルをクリーニングして繰り返し使用することを前提としているためです。
 

持ち帰りNGのタオルを持ち帰るとどうなる?

持ち帰りが認められていないタオルを持ち帰った場合、どのような問題が発生するのでしょうか。
 
まず、金銭的な側面から見てみましょう。タオル類は宿泊施設にとって必要な備品であり、購入やクリーニングにコストがかかります。バスタオルやフェイスタオルは、品質によって異なりますが、それなりの費用がかかる備品です。タオルを持ち帰られると、その分の費用を宿泊施設が負担することになります。
 
また、大手ホテルの多くはクリーニング業者からのレンタルを利用しています。タオルが紛失すると、紛失ペナルティとして弁償が発生したり、次回の契約時に料金が上がったりする可能性があります。このようなコスト増加は、最終的に宿泊料金の値上げにつながる可能性もあるのです。
 
次に、法的な側面についてです。客室の備品は宿泊施設の所有物であり、無断で持ち帰る行為は刑法235条の窃盗罪に該当する可能性があります。窃盗罪の罰則は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。備品のタオルを持ち帰ると、場合によっては窃盗罪に問われることもあるので注意しましょう。
 

誤って持ち帰ってしまった場合の対処法

万が一、持ち帰り不可のタオルを誤って持ち帰ってしまった場合は、速やかに宿泊施設に連絡しましょう。多くの場合、素直に状況を説明すれば大きな問題にはなりません。
 
連絡する際は、宿泊した日付、部屋番号、氏名を伝え、誤って持ち帰ってしまったタオルの種類と数を正確に伝えてください。施設側から返送方法の指示があれば、その指示に従って返却します。
 

持ち帰り可能なアメニティ

タオル以外にも、宿泊施設にはさまざまなアメニティが用意されています。持ち帰り可能なアメニティは、基本的に「一度使用すると次の宿泊客が使えない消耗品」です。
 
具体的には、歯ブラシ、個包装されたシャンプーやコンディショナー、カミソリ、シャワーキャップ、使い捨てスリッパ、ティーバッグなどは持ち帰っても問題ありません。
 
一方、バスローブ、浴衣、ハンガー、ドライヤー、大きなボトルに入ったシャンプー類、コップなどの繰り返し使用する備品は持ち帰り不可です。
 

判断に迷う場合の対応

持ち帰ってよいか判断に迷う場合は、遠慮なくフロントやスタッフに確認しましょう。「このタオルは持ち帰ってもよいですか」と尋ねることは、恥ずかしいことではありません。
 
また、客室内に置かれている案内書やウェルカムカードなどに、アメニティの利用規則が記載されていることもあります。チェックイン時にこれらの情報をひととおり確認しておくと、滞在中に迷うことがなくなります。
 

まとめ

旅館やホテルのタオル持ち帰りについては、施設によってルールが異なります。個包装された薄手のタオルや施設名の入った記念てぬぐいなどは持ち帰り可能な場合が多いですが、すべての施設に当てはまるわけではありません。
 
持ち帰り不可のタオルを持ち帰ると、宿泊施設に金銭的な負担がかかるだけでなく、法的には窃盗罪に該当する可能性もあります。新たなタオルの購入にはコストがかかることを考えると、決して軽視できる問題ではありません。
 
不明な点がある場合は、必ずスタッフに確認することが大切です。マナーを守って快適な旅行を楽しみましょう。
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問