3兄弟の1番上の子が“大学院”に進学すると「多子世帯」の大学無償化の対象から外れてしまいますか?
本記事では、制度の考え方を整理し、具体的な家族構成の例をもとに対象外になる場合、ならない場合を分かりやすく解説します。
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
「誰が無償化の対象者になるのか」がポイント
結論からいうと、3きょうだいのうち1番上の子が大学院に進学しても、必ずしも多子世帯の大学無償化の対象から外れるわけではありません。
多子世帯の大学無償化制度において、支援対象となるのは「扶養している子どもが3人以上いる世帯」かつ「大学、短期大学、高等専門学校(4・5年生)、 専門学校に通っている子」です。
大学院は支援対象外のため、大学院に進学した一番上の子は支援対象にはなりませんが、扶養している子は大学院生含めて3人いることに変わりなく、かつ、下の子2人が大学等に通っている場合は、大学等に通っている子が支援対象になります。
具体例で確認
それでは、具体例で確認しましょう。
<第1子:大学院生、第2子:大学生、第3子:高校生の場合>
この場合、大学院生はまだ学生ですから、親の扶養に入っているのが一般的です。したがって、扶養している子は3人になり、第2子が支援対象に該当します。
なお、「扶養している」とは、年齢は関係なく、住民税において扶養対象となる子の人数を指し、一般的には年末調整や確定申告で申告する扶養人数になります。
<第1子:大学院生、第2子:大学生、第3子:大学生の場合>
このケースにおいても、扶養している子は3人になります。第2子と第3子が大学生のため、第2子と第3子が支援対象者です。
支援対象にならないケース
次に、支援対象にならないケースを確認します。以下は、一例です。
1. 資産額オーバー
多子世帯の大学無償化制度に所得制限はありませんが、資産額の制限はあります。資産(保険、マイホームは含まない)が3億円以上あると支援対象外です。
2. 学業要件を満たさない
大学在学中に履修した科目の授業出席率が6割以下、累積の修得単位数が標準単位数の6割以下など学業要件を満たさない場合は、支援対象から取り消され、以降、支援対象となることはできません。
3. 子どもの収入が扶養条件を満たさない
子どもを扶養として申告できるのは、23歳以上と19歳未満の場合は給与収入が123万円以下、19歳以上23歳未満の場合は給与収入が160万円以下です。
もし、アルバイトでこの金額以上稼いでいるなら、扶養対象外となります。子ども3人のうち、1人でも扶養対象外となれば「扶養する子が3人以上」の要件を満たさず支援対象外です。
自分の家庭に照らし合わせて制度の理解を
多子世帯の大学無償化は、「3人きょうだいかどうか」だけで判断できる制度ではなく12月31日時点で“扶養している子“が3人以上かどうか、が判断ポイントとなります。
ただし、12月31日時点では扶養している子は2人だったけれど、年の離れたきょうだいが翌年に生まれて扶養する子が3人になった場合でも、支援対象となる可能性があります。
多子世帯の大学無償化制度は支援額が大きいため、学費の準備状況が変わることもあるでしょう。ご家庭の状況に制度内容を照らし合わせて、学費の準備を進めてください。
出典
文部科学省 令和7年度から、子供3人以上の世帯への大学等の授業料等の無償化を拡充します!(「高等教育の修学支援新制度」の拡充)
文部科学省 高等教育の修学支援新制度 授業料等減免事務処理要領(第6版)
執筆者 : 前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
