家系ラーメン店で「日本語メニュー」は“1064円”に対し、英語メニューは「1800円」で“二重価格”と話題…「同じ商品なのに値段が違う」のは問題ない? 国内外の導入事例も確認

配信日: 2026.01.15
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家系ラーメン店で「日本語メニュー」は“1064円”に対し、英語メニューは「1800円」で“二重価格”と話題…「同じ商品なのに値段が違う」のは問題ない? 国内外の導入事例も確認
大阪の人気家系ラーメン店で、券売機の日本語メニューと英語メニューの価格差がSNSで話題になっています。日本語表記では約1000円のラーメンが、英語表記では約2000円と、約2倍の価格差があることが議論を呼んでいます。
 
このような外国人観光客と日本人で異なる価格を設定する「二重価格」は、海外では広く導入されていますが、日本ではまだ珍しい取り組みです。本記事では、二重価格の概要や法的な観点、国内外の導入事例について解説します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

そもそも二重価格とは

二重価格とは、同じ商品やサービスに対して、利用者の属性によって異なる価格を設定することです。観光地では、外国人観光客と自国民で入場料を分けるケースや、地域住民と観光客で料金を分けるケースなどがあります。
 
話題となったラーメン店では、券売機で日本語を選択すると約1000円、英語を選択すると約2000円という価格設定になっています。店側の説明によると、英語メニューで提供されるラーメンは、外国人向けに味付けや具材を変えた「別仕様」であり、単純な価格差ではないとしています。
 

二重価格は法的に問題があるのか

結論からいうと、二重価格の設定自体は法的に禁止されていません。民法上、事業者には「契約の自由」があり、誰とどのような内容の契約を結ぶかは基本的に自由です。そのため、価格設定が異なること自体が直ちに法的な問題になるわけではありません。
 
ただし、外国人を一律に入店拒否したケースでは、過去に裁判で違法と判断された事例があります。
 
日本人と外国人を区別することについては、「合理的な理由」があれば許容されるとされており、外国語対応のための人材確保やメニュー翻訳などに実際にコストがかかっている場合は、一定の合理性が認められやすいと考えられています。
 
なお、景品表示法における「二重価格表示」の規制は、同一商品の通常価格と割引価格を比較して消費者に誤認を与えるケースを対象としており、今回のような属性による価格設定とは異なる概念です。
 

日本国内でも二重価格導入の動きが広がっている

日本国内でも、二重価格を導入あるいは検討する動きが出ています。
 
兵庫県姫路市は、世界遺産である姫路城の入城料について、2026年3月から「市民は1000円」「市民以外は2500円」とする二重価格の導入を予定しています。当初は外国人のみを対象とする区分案もありましたが、最終的には居住地で区分する方式となりました。
 
また、東京や京都、奈良などにある国立博物館や美術館でも、外国人料金の導入を検討する動きがあります。民間では、東京・渋谷の海鮮バイキング店が日本人や在日外国人向けの割引を導入するなど、実質的な二重価格を取り入れる飲食店も出てきています。
 

まとめ

訪日外国人観光客が過去最高を記録するなか、二重価格をめぐる議論は今後も続くと考えられます。法的には価格設定自体は禁止されていませんが、導入にあたっては「合理的な理由」の説明や、不公平感を生まない工夫が求められます。
 
専門家からは、「外国人を高くする」という発想ではなく、「全体の価格を引き上げた上で、地元住民や日本在住者を割引する」という形式のほうがトラブルを避けやすいとの意見も出ています。
 
消費者としては、海外旅行時に二重価格に遭遇する可能性があることを知っておくとともに、日本国内でも今後このような価格設定が広がる可能性があることを理解しておくとよいでしょう。
 

出典

消費者庁 二重価格表示
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

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