父の入院・手術で80万円ほどかかると言われたのに、「高額療養費制度」の手続きを忘れていました。このままだと全額支払うしかないのでしょうか? 今からでも高額療養費は使えますか?

配信日: 2026.03.06
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父の入院・手術で80万円ほどかかると言われたのに、「高額療養費制度」の手続きを忘れていました。このままだと全額支払うしかないのでしょうか? 今からでも高額療養費は使えますか?
入院や手術の費用が高額になった際に役立つ「高額療養費制度」。Aさんのお父さんは、高額医療費制度の申請をしていなかったことを手術後に知ったそうです。退院して医療費を支払いが終わったあとは、もう制度は利用できないのでしょうか? 本記事で、FPである筆者が解説します。
田久保誠

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

高額療養費制度とは

高額療養費制度について、簡単に説明します。
 
病院にかかったとき・薬局で薬を受け取るときに支払った金額が、同一の月内で一定の上限額を超えることがあります。その際、超えた分の金額を支給する制度が「高額療養費制度」です。その際に2ヶ月以上に渡った場合は、その月ごとに額を計算することになります。
 
例えば、70歳以上で3割負担の方が100万円/月の医療費で窓口の負担が30万円かかる場合、70歳以上で3割負担の方の自己負担限度額の計算式は図表1のとおり、8万7430円の自己負担額です。よって、21万2570円を高額療養費として支給されます。
 
図表1

図表1

 

申請をしていなかったときは?

高額療養費の支給を受ける権利の消滅時効は、診療を受けた月の翌月1日から2年です。よって、2年前までの高額療養費であれば、さかのぼって高額医療費の支給申請できます。
 

申請するにはどのようにすればいい?

申請は、まず加入している公的医療保険に問い合わせすることになり、一般的には高額療養費支給申請書を提出します。またその際に、病院などで発行される領収書を添付するように言われることもありますので、領収書は捨てずにとっておきましょう。
 
高額療養費を申請すると、加入している医療保険において審査され、それを経て支給されることになります。
 
ただし、審査する医療機関から各医療保険に対し診療報酬の請求がなされ、それが確定したあとに支給されるため、受診した月から少なくとも3ヶ月程度の審査期間が設けられます。そして、審査後に窓口負担額と自己負担の上限額の差額を受け取ります。
 

もし医療費が払えそうにない場合は?

今回Aさんのお父さんは先に支払うだけの資力がありましたが、もし医療費の支払いが困難な場合は、「高額医療費貸付制度」を利用できる場合があります。この制度は無利息で、払い戻される予定額の8割を借りることがでます。
 
制度の利用ができるかどうかは、加入の医療保険によって異なるため、こちらも加入している公的医療保険に問い合わせるようにしてください。
 

医療費があらかじめ高額になることが分かっている場合は?

医療費が高額になることがあらかじめ分かっている場合、70歳未満の方の場合は「限度額適用認定証」を入院時に病院に提示することで、病院での支払いを高額療養費の上限額までできます。
 
また、70歳以上75歳未満の方の場合、所得区分が現役並みIまたはIIの方は健康保険証と高齢受給者証・限度額適用認定証を、所得区分が一般または現役並みIIIの方は、健康保険証と高齢受給者証を提示することで自己負担限度額までの支払いとなります。
 
注意点として、限度額適用認定証の有効期限は発行日の属する月より基本的に1年(保険者によって異なる)とされていますが、保険料が未納となっていた場合等は認定証の交付を受けることができないことがあります。
 

医療費がかかりそうな場合の対処法は?

基本的にはあらかじめ手術や治療にかかる医療費は、病院の受付で問い合わせるとおおよその額は教えてもらえます。もし、医療費の支払いが気になるようであれば、金額を聞いたうえで、限度額適用認定証や高額医療費貸付制度を使うことを考えることも選択肢の一つでしょう。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
 
執筆者 : 田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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