現在妊娠していて産休中ですが、訳あって来月離婚します。これから子どもと2人で暮らすために、どのような支援制度がありますか?

配信日: 2026.03.12
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現在妊娠していて産休中ですが、訳あって来月離婚します。これから子どもと2人で暮らすために、どのような支援制度がありますか?
現在、妊娠していて産休中だという美希さん(仮名)。さまざまな事情から、離婚を決意されたとのことです。そこで、ひとり親家庭が受けられる支援を整理しておきたいとのご相談に来られました。
 
どのような公的支援があるか、また、注意しておきたい点などFPである筆者が解説します。
前田菜緒

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

お住まいの市区町村の主な支援制度を知る

ひとり親家庭への支援は、「国」「都道府県」「市区町村」の制度が組み合わさっています。特に、市区町村の支援は、お住まいの地域によって大きく異なるため、自治体のホームページなどでチェックしてみてください。ここでは、美希さんがお住まいの葛飾区を例に制度の整理をします。
 

(1)児童扶養手当(国の制度)

高校生年代までの子がいる家庭が対象の手当です。前年の所得に応じて「全部支給」「一部支給」「支給なし」に区分されます。
 

全部支給:月額4万6690円(年収目安190万円まで ※子ども1人の場合)
一部支給:月額4万6680円~1万1010円(年収目安385万円まで ※子ども1人の場合)

 
なお、養育費を受け取っている場合は、養育費の8割の額が所得に算入されます。
 

(2)児童育成手当(東京都独自の制度)

東京都では、高校生年代までの子がいる家庭に、児童扶養手当よりも所得制限が緩やかな独自制度があります。
 

支給額:月額1万3500円(年収目安約560万円まで ※子ども1人の場合)

 
児童育成手当は、「雑所得」として課税対象になりますが、雑所得を含めた給与所得以外の所得が20万円以下なら所得税は課税されません。
 

(3)ひとり親家庭等医療費助成(東京都の制度)

18歳までの子がいるひとり親家庭の親と児童が、健康保険を使って医療機関にかかった際、自己負担の一部を助成してくれます。住民税非課税世帯など、自己負担はありません。
 
・住民税課税世帯の自己負担
通院の場合月1万8000円まで(年間上限14万4000円、年収目安約385万円まで ※子ども1人の場合)
 

(4)養育費受取支援(葛飾区の制度)

養育費取り決めに伴う、公正証書作成や弁護士費用が一部助成されます。また、養育費立替保証サービスに申し込み契約した場合にも、初回保証料が助成されます。
 

(5)ひとり親家庭等ホームヘルパー派遣(葛飾区の制度)

小学3年生までの子がいるひとり親家庭が、仕事や病気などで家事援助が必要な場合、一定期間ホームヘルパーを派遣してもらえます。自己負担額は所得によって異なります。もっとも高い自己負担額で、1時間あたり1560円です。
 

(6)その他の支援

・ベビーシッター利用支援事業(東京都の制度)
入園する認可保育所等が決定するまで、東京都が認定した事業者のベビーシッターを利用すると利用料が助成されます。
 
・就学援助(国の制度)
小・中学生の子の保護者で所得など条件を満たすと、学用品費等一部が助成されます。
 
・高等教育の修学支援新制度(国の制度)
いわゆる大学無償化といわれている制度で、所得など条件を満たすと大学の入学金や授業料、給付型奨学金が支援されます。
 
美希さんに関係が深いと思われる制度をピックアップしましたが、これ以外にも、支援はたくさんあります。お住まいの自治体でひとり親向けのガイドブックなど配布されている場合もありますから、確認してみてください。
 

離婚届を出す前に必ず話し合うべきこと

現在、産休中ですから、これから離婚の条件などを話し合うことを考えると離婚届を提出するのは、出産後になるかと思われます。離婚届を提出する前に、これから生まれてくるお子さんのためにも、以下の2点は必ず話し合ってください。
 
1. 養育費の取り決め
必ず、公正証書を作成しましょう。葛飾区には、作成費用の補助制度があります。所得制限はありませんから、ぜひ活用してください。
 
2. 面会交流
夫婦関係は解消しても、子どもにとっては唯一の父親です。子どもの健全な成長のために、どのように関わっていくかを冷静に決めておく必要があります。
 
出産前後の大変な時期に話し合いをするのは精神的に負担が大きいかもしれませんが、「決めておけばよかった」と後悔しないように、今のうちにしっかりと取り決めをしておきましょう。
 

使える支援は活用しながら将来の自立を見据える

ひとり親への支援制度は非常に心強いものなので、使える公的支援は活用してください。ただし、支援はあくまでも生活を支えるための補助的な仕組みです。子どもが小さいうちは、仕事との両立が大変だと思われますが、将来的には少しずつキャリアアップにより収入増できるとよいでしょう。
 
子ども独立後や老後を見据えると、最終的な安心につながるのは「自分で稼げる収入」です。長期的な自立を目指していきましょう。
 

出典

こども家庭庁 児童扶養手当について
葛飾区 児童育成手当
葛飾区 養育費の受け取りを支援します
葛飾区 ひとり親家庭等医療費助成
東京都福祉局 ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)
文部科学省 就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
 
執筆者 : 前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

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