【実録】帰宅中「スマホの落とし物」を発見!「お礼は1割」らしいけど“13万円のiPhone”なら、謝礼に「1万3000円」受け取れる? 意外と難しい“報労金の決め方”とは
謝礼(報労金)についての説明では、警察官から「スマホのようなものは(金額を決めるのが)難しいので……」と言われ、Aさんは謝礼を受け取らないことにしました。
「落とし物を届けるとお礼が1割もらえる」あるいは「3割くらい」などと聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際の決まりはどうなっているのでしょうか。本記事では、落とし物を届けたときに受け取れる謝礼の相場や、スマホの場合の取り扱いについて解説します。
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー
謝礼の相場は「1割」ではなく「5%~20%」
落とし物を拾って警察に届けると、落とし主に対して「報労金」を請求する権利が生じます。報労金の額は遺失物法で定められており、落とし物の価格の5%から20%の間です。「お礼は1割」といわれることもありますが、法律上の5%から20%の中間値的な1割が広まったと思われます。
例えば、現金10万円が入った財布を拾って届けた場合、5000円から2万円の範囲が報労金の目安になります。なお、駅やデパートなどの施設内で拾った場合は、お礼を施設側と折半する決まりのため、拾った人が受け取れるのは価格の2.5%から10%です。
ただし、報労金を受け取るには期限があります。落とし物を拾った日から7日以内(施設内で拾った場合は24時間以内)に届け出ないと権利がなくなるほか、落とし物が落とし主に返還されてから1ヶ月を過ぎると請求できなくなります。
スマホの場合、謝礼を希望するとどうなる?
報労金は「落とし物の価格」を基準にしますが、スマホの場合は、この価格をいくらとみなすかが簡単ではありません。仮に約13万円のiPhoneを拾った場合、1割として1万3000円をもらえると考える人もいるでしょう。
しかし、機種や使用状態によって価値が大きく異なるうえ、本体に記録された情報の価値を金額で示すことも困難です。Aさんが警察官から「難しい」と言われた背景には、このような事情があると考えられます。
警察庁も、報労金の具体的な金額や支払い方法については「落とし主と話し合って決める」ものとしています。つまり、スマホでも報労金を希望すること自体は可能ですが、金額が自動的に決まるわけではなく、最終的には当事者同士の話し合い次第ということです。
また、報労金を請求する場合には、自分の氏名と住所を落とし主に伝えることになります。こうした点に抵抗を感じて、Aさんのように権利を放棄する人もいるようです。届け出の際にいずれかの権利だけを選んで主張することも、一切の権利を放棄することもできます。
3ヶ月たってもスマホは「もらえない」
落とし物は、3ヶ月たっても落とし主が見つからない場合、拾った人が所有権を取得できるのが原則です。しかし、スマホは個人の連絡先などが記録された物件に当たるため、遺失物法により、落とし主が現れなくても拾った人のものにはなりません。運転免許証やキャッシュカード、預金通帳なども同様です。
なお、所有権は取得できなくても、落とし主が見つかった場合に報労金を受け取る権利は主張できます。
まとめ
落とし物の謝礼は「1割」ではなく、法律上は価格の5%から20%(施設内で拾った場合は2.5%から10%)です。スマホのように価格を決めるのが難しいものは、報労金の金額は落とし主との話し合いで決めることになります。
また、スマホは3ヶ月たって落とし主が見つからない場合でも、拾った人のものにはならない点も特徴です。謝礼の有無にかかわらず、落とし物を見つけたら速やかに交番や警察署へ届けましょう。
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

