むしろ増税後の方がお得かも!? 制度を賢く利用して節約しよう
配信日: 2019.10.13 更新日: 2021.04.05
家計の負担が増えてつらい、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、買う場所や買い方によっては、実は増税後の方がむしろ安くなってお得というケースもあります。詳しく見ていきましょう。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
なぜ? あえて「増税後」がお得な理由
今回の消費税アップが原因で、消費が落ち込んで景気が悪くなるということがないように、政府がいくつかの方策を打ち出しています。その中の1つが「ポイント還元」です。
増税後はお買い物金額の5%還元というものもあるので、8%から10%に上がる前に急いで買うよりもお得になります。駆け込み需要の波に乗れなかったという方でも、残念に思わなくてよいということですね。
気を付けたいのは、この5%還元が受けられる条件です。基本的に、支払いはキャッシュレス決済、買う場所は個人や中小企業が運営するお店、期間は2020年6月までと決まっています。
キャッシュレス決済は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済など、現金以外のさまざまな支払い方法が対象になっています。
中には、LINE payの「最大12%」やau PAYの「(実質)最大25%」など、大幅なポイント還元キャンペーンを独自で実施するサービスもあります。
5%還元になるのは中小店舗だけなのですが、楽天やAmazonでのお買い物でも、出店者によっては対象になることもあります。
また、外食チェーンやコンビニなどで、直営ではなくフランチャイズで成り立っているお店では、5%まではいかなくても2%還元は受けられるようになっています。
政府のポイント還元の対象にはならなくても、吉野家の「牛丼10%引き」のように、この制度開始に合わせて自社負担で独自の割引を始める会社もあります。
逆に、対象のはずのお店でも、申請をしていなかったり10月1日のスタートに準備が間に合わなかったりすると、利用してもポイント還元にならないこともあるため確認が必要です。
結果的にややこしくなってしまっていますが、普段よく利用するお店や近所のお店が対象になっているかどうか、一度チェックしてみましょう。専用のサイトやアプリもありますし、店先のポスターやポップでもわかります。
ポイント還元だけじゃない! 他にもある負担軽減制度
ポイント還元以外にも、増税に合わせて新設されたり変更されたりした制度がたくさんあります。
例えば、2万5000円分(最大)の商品券を2万円で購入できる「プレミアム付商品券」は、対象者が子育て世代や所得の低い方などに限られるものの、利用すればお得にお買い物ができます。
大きなお買い物の際の負担軽減策も、一斉にスタートしました。家を買うときは、住宅ローン減税の期間が延長されたり、すまい給付金が増額されたり、ポイントを貯めて景品と交換できる次世代住宅ポイント制度もあります。
車を買うときの税金も、自動車取得税が撤廃され自動車税も安くなるなど、大きく変更されています。
ただ、これらの制度は自分から申請しないと利用できないものも多くあります。制度を知って、理解し、手続きを完了させた人でないと、メリットを享受することができません。どうせならうまく活用して、賢くお買い物を楽しみましょう。
「お得」だけに踊らされないことも大切
当然ですが、「お得だから」と余分なものまで買ってしまっては意味がありません。お金も保管スペースももったいないですから、不必要なものは買わないよう気を付けましょう。
自分の基準に照らし合わせて、いま購入するべきなのかどうか、しっかり判断する必要があるのは、増税前も増税後も同じですね。
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表