マンションを購入するときに、気をつけるべきことって?
配信日: 2020.01.25
執筆者:岡田文徳(おかだふみのり)
認知症大家対策アドバイザー
人生100年時代を生き抜くために大家さんの認知症対策と不動産賃貸経営のサポートを行なっている。
祖父が認知症になり、お金が下ろせない、賃貸業はストップ、収益の出ない物件を買わされそうになる。
祖父の死後、両親と認知症対策を行い、自ら賃貸経営ノウハウや人脈を構築し、日々改善している。
現在は、大家さん向けにセミナーやコンサルティングを行なっています。
住宅を購入するときに気をつけるべきこと
住宅を購入する際には、多くの人は
・住宅を借りたときに支払う家賃
・住宅を購入したときに支払う住宅ローン
を比較して判断しがちです。しかし、これだけでは不十分です。住宅を所有することによって、発生する費用があるからです。
住宅を購入したときには、
・固定資産税
・火災保険
などの費用も全て加味しましょう。
マンション購入ではチェックポイントが増える
マンションを1棟丸ごと購入する人はほとんどいないでしょう。自宅として購入する場合、区分所有権という形でマンションの1室を購入することになります。マンションの1室は自分のものですが、廊下やエレベーターなどは共用部分です。
共用部分は自分で修繕できません。修繕積立金を管理組合が徴収し修繕を行います。大規模修繕においても、区分所有者全員から集めた修繕積立金から行われます。修繕積立金だけでは不足する場合には、区分所有者全員から追加で徴収することになります。
そのため、
・毎月修繕積立金が十分な金額であるか?
・修繕積立金が十分に積み立てられているか?
・大規模修繕の計画が明確に決められているか?
などの確認も必要になります。
中古マンション購入の意外な盲点
新築マンションの購入では気にしなくてよくても、中古マンションの購入では必ず確認しなければならないことがあります。修繕積立金についてです。滞納されることなく、全期間で滞りなく、支払われているかを確認しましょう。
前の所有者が修繕積立金を滞納しているマンションを購入してしまったら、新しい購入者が滞納分まで支払わなければなりません。修繕積立金の滞納額が数万円であれば大丈夫ですが、数百万円であればすぐに支払うのは難しいでしょう。
修繕積立金の滞納を見つけたら、売却する人に修繕積立金の滞納額を全て支払ってもらえるかどうかを確認しましょう。全て支払ってもらえない場合には、購入しないという選択肢を考えてもよいでしょう。
修繕積立金が滞納されているマンションをわざわざ購入する必要はありませんので、必ず確認しましょう。
FPとしては、修繕積立金が滞納されているマンションの購入はオススメしません。修繕積立金が滞納されているマンションを購入したいのであれば、
・修繕積立金の滞納額を自分ですぐに支払えること
・修繕積立金の滞納額を購入予定金額から差し引いてもらうこと
・購入後に出てきたあらゆる問題に対して、自分で対応できること
を確認してからにしましょう。
修繕積立金が滞納されているマンションは、何かしらの問題を抱えていることがあります。そのため、購入後に問題が出てくることも想定しておきましょう。
まとめると、
・購入後にかかる費用は、住宅ローンだけではない。
・修繕積立金が十分な金額であるかを確認する。
・修繕積立金が滞納されていないことを確認する。
「マンションを購入する前」とは、「手付金を支払う前」という意味です。契約書を取り交わす前ではありませんので、ご注意ください。
執筆者:岡田文徳
認知症大家対策アドバイザー