更新日: 2020.04.17 その他暮らし
この先が見えない時期に小規模事業者・フリーランスがやっておくべき6つのこと
取引先からは「コロナが落ち着いたら……」と言われるでしょう。でも、いったい何を持って落ち着いたと言えるかというと、まったく不透明です。仮に、いったん新型コロナウイルス感染者が減少傾向となったとしても、また第二波が来るという可能性もあります。
そうすると、「当分、この沈みきった状況の中で何とか生き抜いていかねばならない」と腹をくくって、「それじゃ、今何ができるか?」と考えておくべきでしょうね。誰かが悪いと言っても仕方がない。今できることを書き出してみました。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
目次
1.使える公的制度は何でも使う。とくに「持続化給付金」
今月後半から、助成金などの詳細がわかってくるはずです。手続きは面倒くさいでしょうが「これは仕事だ!と思ってこなす」ことですよね。中小企業、小規模事業者、フリーランスにとって、今一番使いたい制度は「持続化給付金」(※)でしょう。
これは経済産業省が4月下旬に詳細を発表するとしていますが、概略は「感染症拡大により、とくに大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金を支給します」とある通り、事業をやっている人間で、新型コロナウイルスの影響で売上が減った場合であれば申請可能とされています。
■給付額
・法人 200万円
・個人事業者 100万円
昨年1年間の売上からの減少分を上限とします。
その計算方法は次の通りです。
■売上減少分の計算方法
・前年の総売上(事業収入)―(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
たとえば、合同会社ファイナンシャルフィールドイベント事務所(法人)として活動していたとします。令和元年の総売上が1000万円でした。
ところが今年は新型コロナウイルスのイベントがキャンセルされ、4月売上が前年100万円だったところ、50%以上下がって50万円になってしまいました。
この場合上記の式にあてはめると「1000万円 マイナス (50万円×12)=▲400万円となります。上限は200万円なので、200万円が給付金となるはずです。これが法人ではなく個人事業主だと仮定して、同じ売上と減少額だとすると100万円の給付金となるはずです。
4月下旬に詳しいことが発表されるはずですが、その時手続きに必要なものは次の通りとされています。
■法人
(1)法人番号
(2)2019年の確定申告書類の控え
(3)減収月の事業収入額を示した帳簿等
■個人
(1)本人確認書類
(2)2019年の確定申告書類の控え
(3)減収月の事業収入額を示した帳簿等
さらに(3)については、法人、個人とも型式は問わないとあります。ですので、今すぐ、上記の資料はそろえておくべきですね。
(注)本稿は4月14日現在経済産業省の情報を元に書いています。追加や変更にご注意ください。
2.固定費を見直して断捨離する
事務所、あるいは自分が使っている「いらないクラウドサービス」や「重要でない会員制度」など、月々かかる固定費はどんどん断捨離しましょう。
また、事務所を借りている人は「その事務所はほんとうに必要なのか?」と考え直すこともできるでしょう。
3.ポートフォリオを作る
自分の仕事をポートフォリオ(自己紹介資料)としてまとめ、Webサイトにアップして誰でも見られるようにしておきます。
おそらく「ポートフォリオにして持って歩く」ということは、今後やりにくくなるでしょうから、自分が何をしてきたか一覧できるWebサイトを作っておくことは必須でしょう。
4.お手紙を書く
今までお仕事をしてきたクライアントに向けて、お手紙を出すというのはどうでしょうか?クライアントも人間です。そろそろ在宅勤務で、デジタルなやり取りに疲れているはずですから、手書きの文字が入ったはがきなどが着くと、何かきっかけが沸いたりするかも。
もちろんそこには、「最近の仕事実績はこちらのサイトにまとめてます」というひと言が必要ですね。
5.別の収入を開発する(複業)
小規模企業やフリーランスをやっているということは、そもそも何か一芸があるはずです。それを「クライアントからの依頼で作り、納品して報酬を得る」というサイクル以外に収入にできないか考えたいものです。
・経験や知見を電子書籍にまとめる(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)
・経験や知見を必要な人に伝える(ビザスク)
・経験や知見を先生になって伝える(ストアカ)
6.メニューや報酬規程を見直す
これからの時代では「相手先を訪問する」という業務が減っていくと思います。それはそれでいいのですが、「訪問して1回いくら」みたいな報酬は見直すべきですよね。
この機会にじっくり自分の仕事のメニューや報酬規程を見直して、それでやっていけるかどうか熟考すべき時期ではないでしょうか?
考えてみたら、できることはいろいろあります。体調と心の調子に気をつけて、やれることをやっていきましょう。
【出典】
■経済産業省「持続化給付金に関するお知らせ(令和2年4月14日現在)」
執筆者:藤木俊明
副業評論家