更新日: 2020.05.03 その他暮らし
ようやく出てきた1人10万円給付。「特別定額給付金(仮称)」の概要を確認しよう!
矢継ぎ早とは言い難く、また二転三転しながら出てくる、新型コロナウイルス感染症にかかる国の緊急経済対策。
先日、方向性が決まったばかりの1世帯当たり30万円を給付するという「生活支援臨時給付金(仮称)」はとりやめとなり、一転して、国民1人当たり10万円を支給する「特別定額給付金(仮称)」の報道がされています。
現段階では、具体的にどうなるかは定かではありませんが、正式に発表されている情報をもとに、その概要を見ていきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
特別定額給付金(仮称)の目的
新型コロナウィルス感染症緊急経済対策において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。
たしかに目的は理解できますが、1世帯30万円の給付から急展開したせいで、制度にあまり説得力を感じません。個人的には、練られた政策ではないような気がしています。
事業の実施主体と経費負担
「特別定額給付金(仮称)」は、各市区町村が実施主体となり行い、その経費は国が100%負担するとなっています。
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給付対象者と受給権者
給付の対象者は、基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者とされ、受給権者は、その者の属する世帯の世帯主となっています。
つまり、「特別定額給付金(仮称)」は、世帯主が家族の分も含めて受け取るという意味です。
給付額
給付対象者1人につき10万円
現段階では、例えば、夫婦2人、子ども2人の4人家族の場合、合計で40万円の給付金が受けられると判断できます。
給付金の申請と給付方法
申請の方法としては、「郵送」と「オンライン」の2つの方法があり、給付は、原則として、申請者本人の銀行口座に振り込まれるようになります。
ただし、やむを得ない場合に限り、窓口における申請と給付が認められます。
これは新型コロナウイルス感染拡大を防止する観点からの措置です。
(1)郵送申請方式
お住いの市区町村から受給権者宛てに郵送された申請書に振込先の銀行口座を記入し、口座の確認書類(通帳やキャッシュカード、ネットバンキングの画面のコピー)と本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証などのコピー)を添付し、市区町村に郵送する。
(2)オンライン申請方式(マイナンバーカード所持者が利用可能)
オンラインによる申請ができるのは、マイナンバーカードを持っている人です。
マイナポータルから振込先の銀行口座を入力したうえで、銀行口座の確認書類をアップロードし、電子申請を行います。
受付と支給開始日
「特別定額給付金(仮称)」の受付は、市区町村において決定され、郵送やオンラインでの申請について、それぞれで受け付け開始日が設定可能になる予定です。
また、申請期限は郵送による申請の受付開始日から3ヶ月以内となっています。
まとめ
「特別定額給付金(仮称)」は、本来なら、新型コロナウイルス感染症にかかる経済対策として、もっとも早い段階で決めてしかるべき制度でした。
このタイミングでは、かなりの出遅れ感が否めません。もう少し早い時期に決まり、給付の申請が実施されていれば、助かるご家庭も多かったのではないかと思います。
むしろ、タイミングの遅れにより10万円の価値が薄れ、福祉を目的とした生活支援なのか、景気回復を狙った経済対策なのか、その判別すらしにくくなっています。
この制度ができるおかげで救われるご家庭も増えると思います。しかし、もっと早く実行していればなおよかったのにと思う方は多いのではないでしょうか。
「特別定額給付金(仮称)」は、生活に対する支援であると同時に、仮に、今、使わず後で使う場合は、景気刺激策としての意味があります。
家庭に合った形でお金の使い道を考えていきましょう。
出典:総務省「特別定額給付金」
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)